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天国の記憶27


「……さん……わさん…花沢さん。起きてください」

遠慮がちに俺の体を揺さぶり掛けられる声に意識が浮上する。

―…違うでしょ…

「…類…」
「えっ?」
「類って呼んで…」

「えっ、あ、あの…る、類、起きて…」
「ん…おはよ、牧野」

「あの…寒くないですか?ごめんなさい、あたし寝ちゃって…」
「…気持ち良かったでしょ?お気に入りの意味、分かった?」

「うん! すっごく!」
「なら、良かった。ごめん俺まで寝ちゃったね。寒くなかった?そろそろ行こうか?お腹すいたんじゃない?」

そんなことない、と言おうとした言葉を遮るようにつくしのお腹がギュルギュルと音を立て、あまりの恥ずかしさに真っ赤になった顔を上げられない。

「くくっ、牧野のお腹は正直だね。何がいい? 牧野の好きなものにしようと思って店は決めてないんだ」
「類…は何が好き?」
「…特に好きなものはないな…子供のころから躾けられてきたから何でも一通りは食べられるけど、実は好き嫌いは結構激しい方だよ」
「何が嫌いなの?」
「人参、ピーマン、玉ねぎ…ニンニクも匂いが強いから好きじゃない。それと動物性蛋白質も苦手、かな?」
「えーっ? それなのにその体格? なんかズルイ気がする…」
「だから言ったじゃん。厳しく躾けられたって…実際には好き嫌いなんて許されなかったよ。だからあまり食べない癖がついたけどね。普段から小食なら少ししか食べなくても何も言われないから」

結局、類の嗜好を気にしたつくしに決めることができず、あまり格式張っていないが落ち着いて雰囲気のフレンチの店に類が決めてくれた。

「ここなら気楽に料理を楽しめると思うよ。それにここはデザートが有名なんだ。牧野そういうの好きそうだしね」
「どうしてわかるの?」
「んー、何となく?」

そう…夢の中の彼女はデザートが大好きだった。もちろん食べること自体をとても楽しんでいて、いつも美味しそうに食べていた。
そう思い出して…だから俺は聞いてしまったんだ。

「牧野、自分で料理はするの?」
「もちろん。基本的に自炊だもの。外食もたまにはいいけど、しょっちゅうは勿体ないし。
外食するようなおしゃれなものや凝ったものはできないけど、庶民の家庭料理って意外と飽きが来ないで食べられるんだよ」
「じゃあさ…今度俺に食べさせてよ、その牧野の“家庭料理”」
「えーっ? 類の口に合うような料理は作れないよ、きっと」
「大丈夫、きっと美味しいと思うんだ。牧野の料理が食べたいんだ」

だからねっ、お願いと小首を傾げてビー玉の目にじっと見つめられれば、もはやこれ以上断る術などなかった。

「そうだ、作ってもらえるならお弁当でもいいよ」
「類、お弁当なんて食べるの? ううんそれ以前にどうして知ってるの? 道明寺や滋さんは知らなかったよ?」
「食べないし食べたこともないけど、でも知ってるんだよ」

にっこりとほほ笑んでそう答える類の目が、つくしを見ているのにどこか遠い気がしたのは気のせいだろうか?





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