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風の坂道 37


ソギョンには口止めされていたが、今回ばかりはジャンディも何も言わずに済ませることはできなかった。
大学部に進んでもジフは時折非常階段に姿を見せていた。
財団の仕事と二足の草鞋を履いたジフが現れる頻度は高等部時代に比べ極少なくなっていたが、ジャンディはジフに会えることを期待しながら非常階段へと向かった。

祈るような気持ちで非常階段に通じるドアを開けると、願いが通じたのかそこにはしばらくぶりに見るジフの姿があった。

「ジフ先輩」
ジャンディの声に瞼がゆっくりと上がるが、すぐにまぶし気にその表情が歪んだ。
「なに…安眠妨害…?」

「ごめんなさい、起こしちゃって…でも今日は先輩に会ったらどうしても話したい事があったから…」
「…何…?」

ソギョンとジフの経緯は医院にジフが訪ねてきた頃にジャンディもソギョンから聞かされていた。
その時はまずソギョンがジフの祖父であったことに驚かされたものだったが、話を聞くうちにジフがソギョンを誤解していることが分かってきた。

そしてソギョンが自分に良くしてくれるのは、ソギョンの中でのジフへの贖罪の気持ちが少なからず含まれるのではないかと思っている。
だからこそソギョンとの約束を破ってでも、今ジフにソギョンの状態を話さなければいけない気がしていた。

「あの…ジフ先輩はあたしの後見をしてくださっている方をご存知ですよね?」

「なに…? 何が言いたいの?」

珍しくジフの口調と視線が冷ややかになる。
だがここで怯むわけにはいかなかった。

「あたしの後見人のユン・ソギョンさん。ジフ先輩のお祖父さまですよね」

「だから何…?」

「ユン・ソギョンさんが昨日倒れられました。以前から心臓がお悪かったんですが、このところの冷え込みが心臓に負担をかけているとお医者様が仰っていました。それに何も話されないが心に何か重荷を負っていらっしゃるようだと」
「………」
「ソギョンさん、いえ、ハラボジの心にかかっていることって、ジフ先輩のことじゃないですか?」
「………」

俺が祖父のことを誤解している。だから話し合って誤解を解けと必死に説得する彼女。
どうしてそこまで他人のことに懸命になれるんだ?
俺と祖父がどうであろうと彼女にとっては何ら変わることはないだろうに…

何にでも一生懸命な彼女。たとえ他人のことであってもそれは常に変わらなかった。
彼女のそういうところを見てあいつら3人も変わったことは解っている。
俺自身もそうだから…
けれどハラボジと和解して今更何が変わるというのだろう?
投げ出していた自分の人生をもう一度自分のものとして掴み取ろうとしただけでは不十分なのか?
祖父孝行をしろとでも言いたいのか?


黙って俺の表情を見ていたジャンディが口を開いた。

「うまく言えませんけど…ジフ先輩はいつもどこか寂しそうにしてる。それは家族を求めているからじゃないんですか…? 自分は満ち足りてるって先輩は思っていますか?」

「……」

「あたしが先輩の立場だったらハラボジと仲直りしたい。だってハラボジは生きてるんだもの。いくら家族を求めてもあたしの家族はもう死んでしまっていない…」

ジャンディのあまりにも辛そうな様子に俺は根負けした。
「…病院はどこ…?」




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