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Live to tell 75

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ジャンディを連れ出し二人波頭を歩く。
「ここにいる事…どうして分かったんですか?」
「聞こえた…非常ベルがね…」
ジャンディの視線を感じながら海を見たままで答える。
「毎晩…耳をすましてた」
「どうして…どうしてなの?なんでそこまでできるんですか?」
ジャンディの声が震える。
「先輩には助けてもらってばかり…」

俺は彼女の手を取り向かい合うと腰をかがめて目の高さを合わせた。

「俺の方が多いよ…」

そして二人並んで黙って海を見ていた。

*

日が傾いて夕凪の頃、ゆっくりと歩きながら家路をたどっていた。

「ハラボジの具合はどうですか?」
「診療所に出てる。たぶんまた倒れるまで続ける気だね」
「ハラボジらしい」とジャンディが笑い、俺もつられて笑う。

指輪を通した首元のネックレスを外した俺は不思議をうに見ているジャンディの手にそれを乗せた。
「ハラボジがくれたんだ。母の形見だ。祖母から伝わった」
「先輩…」
ジャンディの表情が俺に訊ねている。
「いつからかは解らない。でも…俺にも君が必要になってた…」
ジャンディの返事を静かに待つ。

「受け取ることはできません」
彼女の表情が辛そうに歪んで、指輪を俺の手に戻す。
「ジャンディ…」
彼女は足元を見たままで
「忘れられると思った…忘れたとも思ってた…でも…」
首元から引っ張り出したネックレスは…ジュンピョが彼女に贈った物…
「…だけど…これだけが捨てられない…離れないの…ジュンピョが離れない」
彼女から視線を逸らし、何とか自制しようと俺は大きく息を吐く。
今も彼女の中にいるジュンピョが羨ましかった。

ジャンディが震える声で俺に詫びる。
「ごめんなさい…ごめんなさい、先輩…」
ぐっと自分を押さえて声を絞り出す。ジャンディを苦しめたくはないその一心で…

「いいんだ」
ありったけの自制心をかき集めて、ジャンディをできる限り優しく抱きしめて…
「いいよ」
そう呟いていた。

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*

ジャンディを家まで送り届け彼女の家を後にする。
田舎の漁師町の夜はわずかな街燈があるだけで暗かった。
角を曲がって少し大きな道に出た所で後ろの方から走ってくる車の音が聞こえた。

名が呼ばれたと思った瞬間、俺は突き飛ばされ猛スピードで走って来た車が俺を突き飛ばした人物を撥ねていた。
地面から起き上がった俺の目に飛び込んできたのは道路に横たわる血まみれのジュンピョだった。

「ジュンピョーっ!ジュンピョ、おい、目を開けろ。ジュンピョ」
救急車を呼ぶと俺は叫ぶようにジュンピョに声を掛け続けていた。



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