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Live to tell 47


神話学園の誰もいないコンサートホールで俺は一人ピアノを弾いていた。
ホールの扉が開いて人の入って来る気配を感じて演奏を止めて振り向くとそこにジャンディがいた。

「チケットはあるの?」

ジャンディはふっと笑って
「こんな遅くに何をしてるんですか?」
「君こそ何をしてるんだ?水泳って冬季オリンピックだっけ?」
「私は…ただ…」

答えに困って苦笑するジャンディ。だからふざけた様にわざと声を明るくした。

「気晴らし?
チケットが無いなら楽譜をめくって?」

笑顔になった彼女がステージに上がってくる。

それからジャンディにピアノを教えて二人で連弾した。
楽しそうに鍵盤を弾く彼女の横顔を見ていると、俺の顏も自然と笑顔になっていた。
穏やかで安らぐ時間…いつまでもこの時が続けばいい…


彼女を乗せて家まで送り届ける。
バイクを降りてヘルメットを俺に返したジャンディがじっと俺の顔を見ている。

「なんでそんなに見るんだ?」
「何だか…不思議で…」
「何が?」
「心の非常ベルが鳴るといつも先輩が現れる…」
「非常ベル…?火事の時に鳴るやつ?」

コクコクと頷くジャンディ。

「やらせて」
「何を?」
「ジャンディの名誉消防士」

途端に咲き誇るような笑顔がこぼれた。俺の好きなジャンディの明るい笑顔…

「今日は送ってくれてありがとうございます。気をつけて帰って下さい」
そう言って、彼女は家に入って行った。

*

ジュンピョの母親の事は解っていたはずなのに、俺達はうかつだった。

ジャンディの父親のクリーニング店が立ち退きを迫られ、ジャンディはアルバイトを増やした。彼女のアルバイト先を知る為にイジョンに彼女の友人から聞きださせた。
ジャンディは深夜のガソリンスタンドでもバイトをしていた。

最初はバイクで乗り付けた俺に気付かず、明るく接客するジャンディ。俺が目の前に缶コーヒーを差し出すと、大きな目を丸くした。

「眠くて死にそうだったの。ありがとう先輩」
「無理しすぎなんじゃない?」
「なに言ってるんですか?私は韓国庶民の代表、クム・ジャンディですよ。体力と根性だけが取り柄」
「ウソつき」

ツゥッと流れる鼻血が彼女の嘘を物語る。

「体がウソだと言ってる」
俺はポケットからハンカチを取り出し彼女の鼻元をそっと拭いた。
ティッシュならあるからと固辞する彼女に構わず拭いていると、静かになり黙って俺にされるがままになっていた。

「胸が痛む…」

彼女の表情が俺の表情を写し、思わず漏れた俺の本音を誤魔化すように付け加えた。
「俺がジュンピョなら…胸が痛むだろうな…」

「あいつには話さないで下さい。自分の面倒は自分で見たいんです。胸を張っていたいから…」

「うらやましいな…ジュンピョが…」

湧き上がる思いを抑えて、じゃあとジャンディに別れを告げた。



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