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Live to tell 46


二人の交際は順調に見えていた。
ジャンディのジュンピョを避けるような素振りを見て気になったんだ。
だから俺はジャンディに忠告した。

逃げるな。逃げるのは卑怯だと君なら言うよね?
逃げずにチャンスを掴め、と。

ジャンディはジュンピョの世界で一方的に振り回されて疲れると言う。

ジュンピョと君の世界は別々じゃない。
今俺たちも一つの世界に居る。
振り回されず君のペースに巻き込め。
それが君の特技だろ?

聞き終えてジャンディが、先輩ありがとう、またねと明るい笑顔を見せてくれる。
そうだ、君には笑顔が似合う。暗い顔なんて似合わない。
俺はほっとしてジャンディの後姿を見送った。

ポケットには今日も返しそびれたジャンディのミトンが入っていた。

*

2月14日、バレンタインデー。
その日てっきりデートを楽しんでいると思っていたジュンピョから電話がかかって来た。

―――神話コールの代理店から帰るジャンディを迎えに行って送って欲しい、と。

代理店からジャンディの家までの道を、彼女を探してバイクを走らせた。
歩道に蹲る彼女を見つけた俺は努めて明るく声を掛けた。
「代行―運転です」

その声に顏を上げたジャンディの視線が俺を捉える。
驚きに目を見開く彼女に心からの笑みを送った。
俺の背中でジャンディが訊ねる。
―なぜわかったの?
―言っただろ?代行運転だって
―えっ?
―ジュンピョに頼まれた

ジャンディを家の前まで送り届け、ありがとうと言うと背を向けた彼女に俺は告げていた。
「何かあったら話して」
「何が起きるんですか?」
「ないといいけど」
「何も起きないですよ。あいつとは深い仲でもないし…気をつけて」

意地っ張りな君は一人で抱え込んで他人に助けを求めない。俺はそんな君の事が誰よりも解っているから心配なんだ。

家に入る彼女を見届けて帰ろうとした時、ハンドルに掛けたままの紙袋に気付いた。
おそらくはバレンタインのプレゼントであろうそれを、追いかけて返す気にもなれずそのまま持ち帰った。

*

翌日、昨日持ち帰った紙袋を開けて見る。
ラッピングされた箱の中には顔を模った手作りのチョコレート。
一目見て解った。これはジュンピョの顔だ―――

クスリと笑いが漏れる。その一方でジュンピョに対する羨望で一杯になる。

ふと外に目をやるとジュンピョの姿が見えた。
窓のすぐ傍で様子を黙って見ていたら、俺に気付いたジュンピョが酷く驚いていて笑いが漏れた。

俺に着いてリビングに入って来たジュンピョがテーブルに置いたままのジャンディのチョコレートを見て驚く。
「なんでそれが…」
「さあね?なんでかな?」
ほんの少し悔しくてジュンピョをからかいたくなった俺は、ジュンピョの顔をしたチョコレートを一つ摘み、ジュンピョに見せながら口に入れた。

「食うな!」
一言叫んで俺の食べかけのチョコレートを奪い取り、箱も奪い返した。


お茶を淹れていると庭を向いたままジュンピョがぼそりと話し始めた。
「不安だよ…あいつに何か起きそうで…」
母親にジャンディのことを知られた事は聞いて知っている。
あの人は俺たちでさえ息子の友人として認めない程の人だ。ましてやジャンディを受け入れるはずがない。ジュンピョの不安はもっともだと思える。

「一番怖いのは…あいつのピンチに…気付かないことだ…

いつもは強気なくせに、今は恐ろしく弱気なジュンピョに俺は気休めでしかない言葉しか吐けなかった。
「心配するな。ジャンディはヤワじゃない。知ってるだろ?怖がるな。俺たちがついてる」

ようやくジュンピョが笑った。




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