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Live to tell 40


カーレース当日。

今頃メインストレート前の観客席にみんな集まっている頃だろうと思っているとイジョンがやって来た。
「無理せずに今からでもやめろ」
振り向かない俺に背後から声を掛けてくる。
あれ程俺を許せないと言っていたくせに…支度を続けながら返した。
「俺の心配か?」
「…頼むから気をつけてくれ」
その声に俺を心から心配してくれていることが分かって、やっぱりこいつは俺の親友なんだと改めて思う。
だから俺は振り向いてあいつに笑いかけた。

控室を出るとジャンディの友達が声を掛けてきた。
彼女もジャンディを心配している事は良く解っていた。
きっと彼女も俺の事を知っているんだろう。不安が見え隠れする彼女が、これで負ければ後が無い、だから秘策はあるのかと問われた。なければ困るわと今にも泣きそうだ。

作戦も秘策もあるわけがない。
そう思った時、通路の向こうにジュンピョと付き添うウビンの姿が見えた。
瞬間、俺の中を過ぎった考えを実行に移すことにした。

「あるよ」
そう答えてジャンディの前に行きそっと抱きしめる。
戸惑い身じろぎするジャンディの耳元で「じっとして」と囁いた。
それから彼女に回した腕を解き、視線を合わせて言い聞かせた。
「卑怯だけど作戦なんだ。協力して」
そして俺はジャンディの額にキスをした、ジュンピョの目前で。

大人しく俺のキスを受けるジャンディを見ればジュンピョは動揺する。
俺には確信があった。
そしてみんなに背を向けてサーキットへと向かう。心の中でジュンピョに詫びながら。
―――ジュンピョ、すまない。
   何としても守ってやりたいんだ

ジャンディを守りたい。その想いが俺の背を押す。
あれ程辛くエンジンをかける事さえできなかった俺が、ジュンピョと並んで競り合っている。
“負けるわけにはいかない”俺の頭の中にはその思いだけだ。両親を亡くした事故の記憶などもはや入り込む余地は無かった。

周回を重ねる程に俺の心は冷静になった頭で、あと1週、気を抜けば負ける、そう思いながらジュンピョを窺っていたその時、コーナーでジュンピョがミスった。
スピンするジュンピョの車を避けながらそのままメインストレートへ。
俺の目の前で激しくチェッカーフラッグが振られた。

ジュンピョのミスで辛うじて勝ったようなものだが、勝ちは勝ち。
1対1。勝負を振り出しに戻せた。
あと1勝すればジャンディを守ることが出来る。
今の俺の頭にはその事しかなかった。



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