FC2ブログ

Live to tell 39


再び全員が一堂に会し次の競技が発表される。
ジフが選んだボールの中に書かれた種目にジュンピョが微かに口角を上げ、ジュニとウビン、イジョンは顔色を変えた。
俺は平静を装う事で精一杯だったが、その場の空気の異様さにジャンディが戸惑っている事だけは解った。

その夜、俺は久しぶりに夢を見た。
―――燃え盛る車を前に血だらけで泣き叫ぶ幼い自分の姿。

“オンマー!アッパー!”

魘されて飛び起きると、そこは自分のベッドの上で…身体中に嫌な汗をかいていた。


俺はサーキットに居た。

車のエンジンをかけようとしてもどうしてもかけることが出来ない。
フラッシュバックする映像、父と母の乗った燃え盛る車…
自分の弱さに歯噛みし、行き場の無い怒りをハンドルに叩き付けた。
勝負は明後日。
気持ちばかりが焦る。
なぜこんな種目を引き当てたんだろう…よりによってカーレースだなんて…
『どの種目を引き当てるか、運も実力のうちよ』
ジュニ・ヌナの言葉が頭を過ぎる。
それでも、たとえ運に見放されたとしても、俺は引くわけにはいかない。
ジャンディを辞めさせる訳にはいかないから。

翌日もサーキットまで来たもののエンジンをかけることもできず、ジュンピョが愛車のロータスを走らせるのを眺めていた。
人の気配を感じたけれどそのまま振り向かないでいると、ジャンディが俺の隣に座った。

「…聞いても良いですか…?」
「いいよ」
「免許はどうして…」
「聞いたの?」
ただ黙って頷くジャンディ。
「ソヒョンに教わった…本当に死ぬかと思ったけど、恥をかきたくなくて…必死で取った」
そう言ってジャンディに笑いかけたけれど、俺よりも彼女の方が辛そうな顔をしていた。

―――そんな表情(かお)をさせたいんじゃない…

彼女は自分が望んで入った学校ではないのだから止めよう、そんな価値は無いと言う。
だが俺はそうは思わない。

「価値はある。勝てるかどうか俺にも分からないけど…最善を尽くす。そうしたい」

ジャンディがずっと大事そうに抱えている物に視線を移し聞いてみる。
「それ…俺にくれるんじゃないの?」
すっかり忘れていたのか、あっと声を上げると「食べますか?」と聞いてくる。
俺は笑顔で頷いた。

ランチジャーの中からお粥とおかずが出され俺の前に並べられていく。
「美味しいね」とそれを味わいながら、俺の中で決意が強くなる。

―――最善を尽くす…


その時、俺達の目の前で珍しくジュンピョがコーナリングをミスった。
その理由に思い至って、俺はつい笑みを漏らしてしまった。

俺とジャンディが一緒にいたからだ。あいつがまだジャンディを想っている事が、あまりにも見え見えで笑ってしまうんだ。



*****
ランキングに参加しています。
皆様のポチが励みになります。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


関連記事
スポンサーサイト

Comment

Post a comment

Secret


プロフィール

まーこ

Author:まーこ
花より男子《日本版:類つく、韓国版:ジフとジャンディ》や韓国ドラマの二次小説を書いています💕

最新記事

二次サイト リンク

♣二次サイト リンク集♣
(サイトマスター様50音順)
 
★日本版『花より男子』二次サイト★
 
♪全CPあり♪
 
 
 
♪類つく♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
♪類つく&総つく♪
 
 
★韓国版『花より男子』二次サイト★
 
♪ジフとジャンディ♪
 
 
 
 
 
 
 
★『シンイ-信義-』二次サイト★
 
 
★おまけ★
 
 
★別館ブログのバナー★

『蓮花の縁』

検索フォーム

QRコード

QR

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数: