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Live to tell 34


夜はなぜこんなに俺の心を冷やすのだろう。
雑誌に次期首相とも言われる若きエリート政治家とソヒョンの記事が載っていた。
婚約、結婚が噂されている、と―――

砂浜のヨットに座り今夜も海を見るともなしにい眺めていた俺のところにジャンディがやって来た。
彼女は俺にごめんなさいと言いながら泣いている。
「君は俺より彼女の事が良く解っていたね。ふさわしい相手だよ、俺なんかよりずっと…」

そんなことない、と大きな目から涙をポロポロと流しながら否定する。
俺の為に泣く彼女が切なくて思わず彼女を胸の中に抱き込んでしまった。
俺の耳元で彼女が泣きながら囁く。
「お願いですから…幸せになると言って下さい…先輩が不幸だと…私も不幸だから…」

「君を好きになれば良かった…」
涙に潤んだ彼女の目に吸い寄せられ、気が付けば俺は彼女にキスしていた。

触れるだけの…けれど長いキス…
離れた唇が空気に触れてひんやりとした。

ハッと彼女の顔色が変わる。
視線を移したそこには…ジュンピョがいた。

地を這うようなジュンピョの声。
「…結局…そういう…ことか…?」
俺に向かって近づきざまジュンピョが俺を殴った。

予想は付いていたが俺は会えて避けなかった。俺には殴られる理由があり、ジュンピョには殴る理由があったから…

俺を庇うジャンディをジュンピョは振り払い詰る。
誤解したジュンピョはジャンディの言葉を聞こうとはしない。
「もう終わりだ。クム・ジャンディ、二度と俺に話しかけるな」

背を向け歩き出すジュンピョ。
「ジュンピョ!!」
俺の声にあいつは苛立ちも露わに吠えた。
「黙れ!!それ以上言ったら…ぶっ殺す!」

ジュンピョは一人ジェットで帰って行った。俺たちを残して…
ウビンとイジョンは「勝手な奴だ」と憤慨しながらも、ジャンディに探りを入れている。
何も思い当たることは無いと答えるジャンディの様子がおかしいことに気付かない奴らじゃない事はわかっていたが、それが俺に関わっているとは思っていないようでただ首を傾げるだけだった。

ジュンピョを傷つけてしまったことは解っていた。けれど俺は親友よりもジャンディを傷つけてしまったことの方を後悔していた。
ジュンピョに拒絶された時の彼女の表情…あんな顔をさせたくはなかった…

*

非常階段で壁に背を預け座っているとジャンディがやって来た。
「やあ…」
溜息を吐きながら彼女は俺の隣に腰を降ろす。
いつもの元気がない彼女に俺は言った。
「気を使わなくていいよ。非常事態だろ?」
悲しそうにそれでも笑う彼女。
「まぁ君はいつも非常事態だけど…」
気持ちを軽くさせたくて言った言葉に思いもしなかった言葉が返ってきた。
「…島ではごめんなさい」
「どうして?」思わず彼女を見ていた。
「私が会いに行ったから…」
「俺がしたかったんだ。君は悪くない」
悪いのは俺だ。なのに彼女は謝るんだ…でも…それが彼女、か…
「ジュンピョを傷つけたのは私なの…」

他人を責めず、あくまでも自分を責める彼女。
つい溜息を吐きそうになる。

ふと視線を落とした先にチョークが落ちていた。
俺はそれを手にすると非常階段の壁に絵を描き始めた。
「ジュンピョは今頃…こんな顔かな…?」
「違うわよ」
俺の手からチョークを奪い取ったジャンディは俺の描いたジュンピョの絵に修正を加えていく。
「もっと意地悪い顔で…カリカリ怒ってる…髪の毛なんかクルクルねじれて…」

彼女の笑顔がだんだん歪んで泣き顔に変わっていく…その姿から目が離せなかった。
それでも彼女は俺に言うんだ…「ごめんなさい…」
俺は彼女の手を握って「大丈夫だよ」ただそうとしか言えなかった。



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