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Live to tell 30


帰国して久しぶりに神話学園へと足を向ける。

親友たちと、そしてあの子に帰国の報告をしておこうとラウンジへと向かっていると、学生のざわめきの中にジュンピョの“注目!”という声が聞こえてきた。

「今日からクム・ジャンディは俺様の彼女だとここに宣言ずる!」
キャーッ、ホゥーッ
絶叫や囃し立てる声の中、さらに続けるジュンピョの声が聞こえた。
「今後、クム・ジャンディへの言動は全て、この俺様に対するものとみなす。みんな気をつけろよ。いいな?」

へぇ…あのジュンピョが…ソヒョンもそんな事を言ってたっけ…
小さなとげが刺さったような不快感を振り払うと、何だか少し笑えて来て、俺はからかってみたくなった。
「異議あり!」

俺の声に全員が振り向く。
「ジフ!」イジョンが笑顔で俺の名を呼ぶ。
俺は片手を上げ「ただいま」と奴らに笑いかけた。


その夜、あいつらに誘われていつもの溜り場で遊ぶことにした。
例によってウビンとイジョンは女の子を呼んでいる。
パリでの事を思い出したくなくて、俺は女の子たちとじゃれ合いながら過ごすことにした。
親友たちがそんな俺を不思議に思っている事は分かっていたがそ知らぬふりをした。
ジャンディがジュンピョを訪ねて来て俺を見ていることも知っていたが、俺は気づかぬふりをして女の子の肩を抱いて笑っていた。

ジャンディはこんな俺をどう思うだろう―――ふとよぎる思いを振り払いながら。

ウビンとイジョンはいつものようにそれぞれ気に入った女の子を連れて出て行き、ジュンピョは残りの女の子を帰らせ上機嫌でゲームに興じている。
遊び人の親友たちのように女を抱く気にもなれず、俺も名残惜しげな女の子を帰らせ帰路についた。

ジャンディと晴れて恋人同士になったジュンピョは今まで見たこともないほどの笑顔で、一人取り残されても文句も言わず終始ご機嫌だった。
あいつは帰ると言う俺に不満な顔一つせずこう言ったんだ。
「ジフ、気をつけて帰れよ。またな」

*

非常階段にジャンディが走って来た。

「いじめられるよりずっと怖い…」
彼女の独り言が聞こえ、俺は声を掛ける。
「もう、叫ばないの?」

俺の存在に気付いていなかったジャンディが驚いて振り向いた。
「先輩!」

向けられる視線を感じながらジャンディではなく踊り場から見える景色に目を向ける。
「習慣は怖いな…いつもと同じ場所なのに静かだと変だ…似合わない」
そう話す俺にジャンディはフフッと笑ったが、大きく息を吐いて遠慮がちに話しかけてきた。

「パリへはいつ…戻られるんですか?」
「戻らない」

これ以上は話したくなかった俺は話題を変えた。
「ジュンピョと…ほんとに付き合ってるの?」
訊ねながら俺は彼女を見た。
戸惑うジャンディの表情でジュンピョが押しきったことが窺えた。

「先を越された…俺と付き合わない?」
えっと目を見開いて驚くジャンディの反応が、あまりにも予想通りで笑えてしまう。
クスッ―――「冗談だよ」

ジャンディのほっとした表情に少しだけ寂しさが浮かんだのは俺の気のせいか?
「じゃあさ…ジュンピョに内緒で付き合おっか?」
「先輩…」
彼女の戸惑う表情に耐え切れず俺は視線を逸らした。
「ここの芝生(ジャンディ)は変わらないな…会いたかった…」

それだけ話すと、俺は彼女を見ずに非常階段を後にした。



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