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Live to tell 25


ソヒョンのバースデイパーティー。
俺は主役の彼女をエスコートし会場へと入った。

ろうそくを灯した大きなバースディケーキがソヒョンの前に運ばれ、俺のヴァイオリンに合わせて会場のゲストたちがバースデイソングを歌った。
歌が終わるとソヒョンがろうそくを吹き消す。
俺はヴァイオリンをスタッフに渡すとソヒョンの傍を離れた。
これからソヒョンが話すことを聞きたくはなかったから…

「今日は私の誕生パーティーにようこそ、皆さん。
今まで育ててくれた両親、素敵な友人たち、ありがとう。
この場で皆さんにお礼と同時にご報告したい事があって、柄にもなくパーティーを開きました。
私は来週パリに戻ります。そして戻ってきません。モデルの仕事も引退します。
両親のおかげで努力せずに多くの特権を手にしてきました。
これからは自分の力で新たに始めたいのです。法律事務所も継ぎません。
もっと広い世界で人々ともっと多くを分かち合いたいのです。
こうでもしないと、説得は難しかったので発表しました。
皆さん…どうぞお幸せに」

話し終えるとソヒョンは会場を後にした。

*

―――今頃ソヒョンはみんなに伝えているのだろうか…
俺は部屋に戻り、かつてソヒョンに贈られたマリオネットを玩んでいた。

ソヒョンが入って来たことに気付いていたが、俺はソヒョンを見なかった。
屈みこんで目線を合わせて俺が操るマリオネットにソヒョンが話しかけてきた。
「こんにちは…」

そして俺を見て言葉を続ける。
「まだ持っていたのね…? 初めて離れて過ごした時よ」
俺はソヒョンと目を合わさず答えた。
「…憶えてたのか…?」
「あの頃からだもの…あなたがヌナ(お姉さん)と呼ばなくなった」
俺は顔を逸らしたまま問い詰めた。
「俺は何だったんだ…」

ソヒョンは立ち上がり俺の肩に手を置いて宥めるように訊ねる。
「ジフ…すごく怒ってるのね…?」
そのソヒョンの態度に俺の怒りが沸騰した。マリオネットを荒々しくゴミ箱に投げ込む。
ガタンッ!

「俺も捨てられた気分だ」
「捨てられないものがあるとしたら、それこそあなたよ」

その言葉に俺はやりきれない思いに苛まれる。
「嘘をつくな」
立ち上がり背を背けた俺の背後からソヒョンの声が続く。
「嘘じゃないわ。あなたが他の人に向ける視線が気になったもの」
「何のことだ?」
思わず振り返り聞きかえしていた。
「あなたがあの子を助けた時、なぜか動揺してしまった…変でしょ?」

ソヒョンの言った事のあまりのバカバカしさに溜息が出る。
「冗談はよせ」
「でも同時に…大人の男になったあなたが嬉しくもあった」

ソヒョンの言いたい事が理解できず、相変わらず子ども扱いされているようで俺の苛立ちが募る。
「笑わせるな!」

俺は腰掛けて告げながら感情が昂るのを抑えられない。
「勝手にしろよ…適当な距離だけ保っておいて…おもちゃと同じだ…」
反してソヒョンは静かに答える。
「失くしたら…泣き通すわ…」

―――そう思うのなら何故?
俺の頭を占める思い。

「俺の視線? ずっとソヒョンだけを見てきた。俺だって男だ。君の事を抱きたいと思う男だ!」
ソヒョンの表情が曇り、その手が俺の首に回り俺を抱きしめる。
俺の耳元でソヒョンの声が響く。
「私だって分かってるわ。ごめんなさい、ジフ。本当にごめん」
その声にソヒョンの決意を感じて、引き留めることはできない事を悟った。
離れて行こうとするソヒョンの手を掴んで、俺はソヒョンに顔を近づけた。

ソヒョンは俺の口づけを拒まなかった。
最初で最後かもしれないソヒョンとのキス…いつまでもこのままでいたかった。



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