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Live to tell 24


ジュンピョ達の居る港に着いた頃には陽も落ちてあたりは暗くなっていた。
俺達が車を降りると3人がソヒョンとハグをして挨拶する。

俺は離れたところに立つジャンディに気が付いた。
するとジュンピョが彼女のところへ行きちょっかいをかけている。
ジュンピョが背を向けたところで彼女の叫び声が聞こえてきた。
「どこだか知らないけど、行かないわよっ!」

俺は彼女の顔が見たくなってジュンピョと入れ違いに彼女の前に行ったら、なんだか楽しっくなって腰をかがめて笑顔で彼女の目を見て言ったんだ。
「彼女の歓迎パーティがあるんだ。きっと楽しいよ。君も来るだろ?」

*

その夜、パーティー会場で俺はソヒョンと話していた。
幼馴染みたちももちろん出席していて、あいつらの周りには女が群がっていた。

「「「クム・ジャンディ~っ!」」」
3人の女が彼女を見つけて取り囲んで何かを言っている。

「遅いわよ、探しちゃったじゃない」
「まだコート着てる」
「暑くないの?」
「ドレスが薄すぎるんじゃない?」
「新作は可愛いけど、露出度も高いのよね…あんたもそうなの?」
「脱ぎなさいよ」
「脱がせてあげましょうか?」

嫌がる彼女のコートが脱がされた瞬間、バランスを崩してテーブルの上の料理を薙ぎ払いながら倒れてしまった彼女はコスプレ姿だった。
女たちは「あら、まあ、ワンダーガールじゃない?」と嘲り笑っている。
「ネットと現実の区別もつかないの?」
「ドレスが無いなら貸してあげたのに」
「目立ちたいのは解るけど、やりすぎよ。庶民」
「これが庶民流の遊びなの?」
倒れた彼女に次々と女たちは侮蔑の言葉を投げ続ける。
会場に居る他の奴らも彼女を嘲笑っている。

会場の奴らの態度がなぜか気に入らず、俺は立ちあがり彼女の傍へと向かった。
俺は上着を脱ぐと彼女に着せかけ、一緒に彼女の傍に来たソヒョンがハンカチを取り出し彼女の服の汚れを拭っていた。

やがてソヒョンが顔を上げ、彼女を嘲っていた女たちを睨みながら立ち上がった。
「あなた達。人を笑って楽しい? 気付いてないのね。これはこの子じゃなくあなた達自身を貶める行為よ」
発した言葉はソヒョンの怒りを物語っていた。
彼女は厳しい視線のまま俺に指図する。
「何してるの、ジフ? 早く彼女を私の部屋へ」

途端、今まで彼女を嘲っていた会場の奴らから歓声と拍手が起こる。
勝手な奴らだと呆れてしまう。

言われるがまま、ジャンディをソヒョンの部屋の前まで連れて行った。
「ジフ、ありがとう。ここで良いわ。会場に戻って待っていて」
そう言ってソヒョンは彼女を連れて部屋に入ってしまい、俺は会場へと戻った。


しばらく経つと会場のドアが大きく開かれていく。
会場内へと入って来たソヒョンはジャンディを連れていた。
ピンクのミニ丈のドレスに白いファーをあしらったボレロ姿のジャンディがそこに居た。
まるで実の妹に向けるかのような優しい笑顔をジャンディに向けて、ソヒョンは彼女から離れると俺の方に歩いて来た。
一瞬彼女から目が離せなかった俺は、ジュンピョが彼女に目を奪われ手にした皿を落としたことにも気付いていなかった。

「あんな可愛いレディーを放っておくのは紳士じゃないわ」
戻ってきたソヒョンはそう言って俺の背を押しジャンディへと向かせた。
俺は背を押されるがままに彼女へと歩を進め、手を差し出した。
彼女は恥じらいながらも嬉しそうに俺の手を取った。

ホールの中央へ進みワルツを踊る。
ダンスなんて初めてなんだろう。ぎこちない彼女をリードしながら一曲を踊った。
嬉しそうに踊る彼女の顔を見ながら、いつまでも俺の靴の上にある彼女の足に、“いい加減、下りてくれないかな”と思いながら。

*

林の中のいつもの場所でヴァイオリンを弾いていると雪が舞い始めた。
構わず弾き続けていたその時、突然一本の弦が切れた。
俺はため息を一つ吐くと無造作にヴァイオリンをベンチに放り投げ、腰を降ろして顔を覆い項垂れた。

落とした目線の先に人の足先が見えて顔を上げるとそこにジャンディが立っていた。
人に会いたい気分じゃなかった俺は顔を背けた。
彼女がひざま付き俺の手に触れてきて、手を払いのけ黙ったままで拒絶を表す。
だが彼女は哀しそうな表情を見せ、
「これだけですから。これだけ済ませたら行きますから」
そう言いながら弦で切れた俺の指をハンカチで手当てしている。
その間俺はずっと彼女を見ないようにしていた。

彼女はそれ以上何も言わず、立ち上がって歩き始めたと思うと足を止め何かをした後去って行った。
彼女が離れて行ったことが分かって、ようやく視線を戻すと、俺がベンチの上においたヴァイオリンに雪がかからないようにと傘がかけられていた。
傘の柄にかかれた文字が目に飛び込む。『ジャンディの』と。
ささくれた俺の心に一瞬温かいものが流れ込んだ。



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