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Live to tell 17


あの事件以来、クム・ジャンディの周囲は騒がしかった。
記者たちに追いかけられる日々が続く中、自宅のクリーニング店に帰ると、似つかわしくない黒塗りの車が停まっていた。
神話グループ会長の秘書というスーツ姿のその男性は、神話学園に「水泳選手」の特待生として迎えたいというカン会長の意向を伝えに来たという。
嫌がるジャンディだったが家族全員に押し切られ、結局神話学園高等部に通う事となる。

自分の境遇の変化に戸惑いを隠せないジャンディだったが、これが彼女の運命のまだほんの序章であることには気付いていなかった。

そしてその神話学園、登校初日、運命の歯車が一つ動いた。

*

その日俺は仲間たちと離れ、学園内の林の中でヴァイオリンを弾いていた。
ふと視線を感じて弓を降ろしその方向を見ると、女子学生が立っていた。
その真っ黒な髪と大きな黒い目が目を引くその女が俺に訊ねてきた。
「あ、あの、プールはどこですか?」
声を出すのも面倒で、ヴァイオリンの弓で指し示すと、
「あ、あっちですか? ありがとうございました」
なぜか慌てたように礼を言い、行きかけて再び俺の方を向く。
「し、失礼しました。どうぞ続けてください」
そして忙しなく「さよなら」と言って去っていく。
俺はその落ち着きのない姿を「変なヤツ…」と思いながら眺めていた。

これが…運命の出会いであることにも気づかずに…

*

「「きゃーっ、F4よぉ」」
女子生徒の叫び声と共に学生たちがエントランスホールへと走る。
「F4…?」
ミナの話の中に出ていたF4とやらがどんな奴らなんだろうと、駆け出す学生に交じりジャンディもホールに向かう。
学生たちが左右に分かれ待ち構える中央に彼らが姿を現した。

一際長身の黒い巻き毛に黒のスーツに身を包んだ男を先頭に、その後ろには見るからにチャラそうなサラサラ黒髪にネイビーのスーツを纏った男とこちらも女の扱いに長けていそうな柔らかなダークブラウンのふんわりヘアにモスグリーンのジャケットの男、そして先ほど林の中で出会った薄茶色の髪に白いジャケット姿の人がいた。

先頭の男がふと立ち止まり、彼らを取り巻く学生たちの一人に向かうと一言だけ告げた。
「3秒やる」

ジャンディはその学生に憶えがあった。
登校した時、仲間に自分の制服を自慢していた奴だった。
『これは韓国に2着しかない。これと…』
『後は誰だ?』
『…ク・ジュンピョ…』
『すげえな』
『俺の方が似合う』
そんな会話が聞こえていた。

「ウビン、ジュースあるか?」
「いるか?」
聞かれたモスグリーンのジャケットの男がそう答え渡すと、おもむろにその学生の白いシャツにオレンジの液体を流し掛けた。
周囲がざわめく中、先頭の男がすることを後ろの2にはやれやれと言う表情で黙って見ていた。
薄茶色の髪の人は全く無関心という表情だった。

彼らが去った後、学生たちは三々五々散らばって行く。
ジャンディはその傍若無人ぶりに呆気にとられていた。



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