FC2ブログ

Live to tell 2


俺が5歳の時のあの日、久しぶりに両親と一緒に出掛けていた。
いつもは家の運転手の運転する車で出かけていたが、あの日は父が自ら運転する車に俺と母は乗っていた。

久しぶりに両親と一緒に過ごせて俺は浮かれていた。
自宅へ向かう車の中で俺はふざけて父の目を手で塞ぎに行った。

「こら、ジフ。アッパは車を運転してるんだぞ? 危ないじゃないか」
「そうよ、ジフ。いい子だからやめなさい」

本気で怒るのではなく、穏やかに窘められたその瞬間、反対車線を走っていたトラックが車線をはみ出して突っ込んできた。

突然の衝撃。

車は大きく跳ね飛ばされ逆さまに路面に突っ込んだ。

オンマ、アッパ、痛いよ…怖いよ…

衝撃の瞬間、母に抱き込まれて守られたものの、事故の瞬間に負傷したのか俺の額を血が伝う。
「…ジフ…そこの窓から…外に逃げなさい…早く…」
苦しげな母の言葉。
「オンマ、オンマは?」
「オンマやアッパの事は良いから…早く、早く外に出なさい!」
ガソリンとオイルの臭い…チリチリという音…
子供心に母の声音に逼迫したものを感じて、必死に言われる通りに窓から這いだした。
「ジフ! 早く…車から離れて…! 道路の端に、行きなさい…!」
振り絞るような母の叫び声の直後、車が爆発音とともに火を噴いた。

ペタリと座り込んだまま轟音と共に燃える車を前に、俺は声の限り泣き叫び続けていた。
「アッパーッ! オンマーッ!」

***

気が付けば白い壁、白い天井に囲まれた病院のベッドの上。
―オンマとアッパは? あれはぼくの夢だったのかな?

そして聞こえてくる、声を潜めた看護師たちの言葉…
「お坊ちゃま、まだお小さいのに可哀想にね…」
「ご両親があのお坊ちゃまを必死で庇って助けたんでしょ…?」
「トラックが突っ込んできたようだけど、逃げてるんでしょ?」
「お金持ちだから、お金や生活に困ることは無いだろうけど、孤児ってことよね…?」

―オンマとアッパは死んじゃったの?

父にいつも付き従っていたキム室長が退院の日、俺を迎えに来てくれた。
「ジフ坊ちゃま…」
「うん…ぼくわかってるよ…アッパとオンマ、死んじゃったんでしょ?」
沈痛な面持ちの彼は、まだ幼い俺にどう声をかけて良いのかわからないようだった。
それでも彼にも彼の務めがある。
「はい…坊ちゃまにはお父様とお母様のご葬儀の喪主を務めて頂かなければなりません。お辛いでしょうが…」

幼いなりに俺には解っていた。
今ここでいくら俺が泣きわめこうが事実は変わらない事を。
そして言うなれば、子供なりに自分の成すべきことを考えていたのだろう。
幸か不幸か、愛され甘やかされはしたものの、子供の頃から己の成すべきことを考えるように育てられてきた。

「ぼくが…オッパとオンマの…お葬式をしなきゃ…いけないんだね…?」
涙を堪えて答える俺にキム室長は黙って頷いた。



*****
ランキングに参加しています。
皆様のポチが励みになります。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


関連記事
スポンサーサイト

Comment

Post a comment

Secret


プロフィール

まーこ

Author:まーこ
花より男子《日本版:類つく、韓国版:ジフとジャンディ》や韓国ドラマの二次小説を書いています💕

最新記事

二次サイト リンク

♣二次サイト リンク集♣
(サイトマスター様50音順)
 
★日本版『花より男子』二次サイト★
 
♪全CPあり♪
 
 
 
♪類つく♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
♪類つく&総つく♪
 
 
★韓国版『花より男子』二次サイト★
 
♪ジフとジャンディ♪
 
 
 
 
 
 
 
★『シンイ-信義-』二次サイト★
 
 
★おまけ★
 
 
★別館ブログのバナー★

『蓮花の縁』

検索フォーム

QRコード

QR

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数: