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二十四番花信風[にじゅうしばんかしんのかぜ] 2018年類誕記念 前編


―牧野がNYに旅立った―

その事を俺が知ったのは既に彼女が出発した後の事だった。
それは偶然のこと…
時間ができた俺は昨日久しぶりに牧野のバイト先の団子屋に迎えに行った。
曲がり角にいた俺に気付かないまま別の友人と連れ立って通り過ぎた牧野の親友が話していた事…
「…つくしは今日NYに行ったんだよ…」

この事はあきらも総二郎も三条も知らなかったらしい。3人も驚いていた。
―3人ともなんでそんなに驚くのさ…?―
約束の4年目は目前で…きっと彼女は司が迎えに来るのが待ちきれず、自分からNYに行ったのだろう…俺はそう思ってしまった…

…でも…ちょっとひどくない?牧野…俺だけじゃなく、あきらや総二郎にさえも何も告げずに行ってしまうなんて…
しかも…俺の誕生日を目前にして…
何かを望んだわけじゃない…
ただ…
あんたが笑顔でたった一言…
「花沢類、誕生日おめでとう」
それだけ言って貰いたかった…友人としてで良いから…

*

牧野がNYに発って2日目の夜、無視しても無視してもなり続けるスマホの呼び出し音にうんざりして、手にしたディスプレイには“総二郎”の表示。
電源を落としても今度は家の電話に掛けてくることは容易に想像できた。
諦めて溜息を一つ吐き、ディスプレイをスワイプする。

「おっ、やっと出たか」
「…なに…?」
「優紀ちゃんからおまえに伝えてくれって電話貰ったんだよ」
「?…だから…何…?」
「牧野、明日帰って来るってよ」

俺はベッドの上に起き上がっていた。

「……じゃ、伝えたからな」

最後にそう言って総二郎の電話は切れた。

―明日帰ってくる…?
 牧野…一泊もせずにとんぼ帰り…?
 どうして…?なにかあったの?

頭の中で想像だけがグルグルと回り続け、牧野が泣いていないか心配で眠ることもできず、白んでくる窓の外を眺めながらジリジリと時間が過ぎるのを待っていた。

牧野が到着する時間の1時間も前に空港について落ち着かない気持ちのままその時を待つ。

電光掲示板がNYからの便の到着を告げ、アライバルゲートをじっと見つめる。
荷物らしい荷物も持たず、小さなカバンだけを肩に掛けた艶やかな黒髪の人物が視界に入った途端、俺は駆け出していた。

「牧野!」

驚いて立ち止まり、大きな目を更に大きく見開いて俺を見つめる。

「お帰り」
「花沢類…なんで知ってるの…?迎えに来てくれたの…?」

驚いて不思議そうな顔はしているものの、俺が心配していた泣き顔ではない。
それだけでほっとする。

「あんたの親友が総二郎経由で教えてくれた」
「優紀が…?」

*

「なんでNYに行ったの?どうしてすぐに帰って来たの?俺に…教えてくれる…?」

空港からのリムジンの中、俺は勇気を出して直球で聞いてみた。
最初はあーとかうーとかもごもごしていた牧野が意を決したように話し始めた。

「…道明寺と…別れた…ちゃんと顔見て自分の口で言いたかったから…」
「えっ?…それで司は…納得したの…?」

あの司が素直に受け入れるはずがない…そう思えたから…
すると彼女はなぜか哀しそうな表情を浮かべ

「うん…“おまえがそう言いだすんじゃないかって、どこかで覚悟してた”って言って…“いいよ、おまえを振ってやるよ”って」
「なに…それ…」
「“振られるなんて俺のプライドが許さねぇから俺が振るんだ”って、アイツらしい俺様な言い方だけど…ホントは優しいんだよね…」

司の母親も今では反対はしていないと聞いていた。むしろ牧野を認め始めていたと…
別れる理由が解らず、なおも食い下がる俺に牧野はもう少し時間をくれと言った。

「3月30日、類の誕生日に会ってくれる?その時に全部話すから…」

不承不承、俺は引きさがった。
それでも俺の誕生日に彼女と会えることは嬉しかった。


******
新年早々の入院騒ぎ以来、遅々として進まない本編放ったらかしで、とりあえず年1回の『類誕』に力を注いでしまいました。

ダレダレになって続きを書くのを後回しに、古い『花男 類つくサイト』を発掘し、読み耽ることに夢中になるあまり、更に怠慢になって行くという、ある意味負のスパイラルに陥って…
この度見つけたサイト様は波乱万丈のお話が多かったため、自分はイチャイチャのバカップル、可もなく不可もなく的なひたすら穏やかーなお話を書きたかったのです。

イメージ曲はタイトルにした
『二十四番花信風』です。



まったりして頂けると幸いです。

まーこ


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