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風の坂道 7


神話学園登校初日、ジャンディは自転車で出かけて行った。
あの学園に通っている事での誘拐のリスクを考えると儂は車を使わせてやりたかったが、あの子の性格からするとそれは受け入れまいと考え、あの子の好きにさせることにした。

縁があれば、あの子とジフが出会うだろうと密かな期待を秘めていた。

*

神話学園登校初日、自転車で学園に向かったあたしは信じがたい光景を見ることになった。
学園に近づくにつれ、長い車の列が連なっている。
こんなところで交通渋滞?と首を傾げながら進んでいくと校門前で停車した車のドアが降りてきた運転手に開けられ、学園の制服を来た学生が降りてくる。
それが次々と繰り広げられ、中から降り立った学生たちがあたしに気付くと、眉を顰めてあたしを見てひそひそと言葉を交わしている。

車で登下校なんてお金持ちの子供たちには当たり前なんだろうけど、あたしにしたらバカバカしいし勿体ないと思える。
あたしを見る目つきがバカにされているようで気に食わなかったけれど、あたしはここに勉強しに来てるんだからと無視することに決めた。
友達ができればいいと思っていたけど、それはここでは無理みたい…
あたしは友人を早々に諦めた。

校舎に向かう途中で男子生徒たちが数人固まってはしゃいでいる。
「これは韓国に2着しかないんだぜ」
自慢げに自分のシャツを指し示す男子。
「2着…?誰だよ?」
周囲の男子たちが興味津々で訊ねている。
自慢した男は勿体ぶった様子でその名を告げる。
「…ク…ジュン、ピョ、さ。けどはっきり言って俺の方が似合うだろ?」

聞こえてきたやり取りにも既にうんざりだった。


ロッカーに鞄を入れて教室に向かおうとしていると、周囲の学生たちが突然浮足立ち走り始めた。
「F4だ!」「きゃーっ、F4よっ!!」
口々に叫びながらエントランスに向かう学生たちの後ろをついて行き、吹き抜けになったエントランスを2階から見下ろした正にその時…エントランスから4人の男子学生が入って来た。
制服ではなく私服を着用したその4人は、揃って整った容姿の長身で、全生徒の歓声の中動じることも無く歩いている。
よく見れば4人のうち2人は周囲に笑顔を振り向けていたが、2人は全く無表情だった。

まるでモーゼの十戒の如く、人波の割れた中を悠然と歩んでいた4人の先頭を歩いていた一番長身でクルクルのくせ毛の1人がふと歩みを止める。
次いで視線を向けた先には、ジャンディが登校した時に見かけたシャツを自慢していた男子生徒がいた。

まるで肉食獣を思わせる目に射竦められ、男子生徒が出した声は震えていた。
「な…なんでしょうか…?」
「3秒やる」
言われた意味が解らず、ただおどおどと所在なげに立ちすくんだままの生徒。

「…ウビン、ジュースあるか?」
振り向きもせず問う声にウビンと呼ばれた一人が「ああ…いるか?」と平然と答え、手にしたジュースを手渡す。
ジュースを手にすると、くせ毛の男は男子生徒の襟を掴み中の白いシャツの上にジュースをゆっくりと垂らした。

オレンジ色に染まって行く白いシャツ…
対照的に青ざめていく生徒の顔…
空になったジュースの瓶を生徒に持たせると、くせ毛の男は無言のままニコリともせずポンと肩を一つ叩き、その場を後にした。

今にも泣き出しそうな男子生徒の傍に友人たちが集まり慰めるように肩を抱く。

「なんなのよ…なんてフザけた奴らなの?まわりの生徒たちもどうかしてる。なんで誰も何も言わないの?」
呆気にとられていたジャンディが我に返り、見世物は終わったとばかり散らばって行く生徒たちの中で思わず口にした言葉を聞きとがめたのは3人組みの女子生徒だった。

「何ですって?」
「あんた、転校生?」
「F4を知らないの?」

制服こそ着てはいるが、明らかにブランド品と解るアクセサリーやマニキュア、香水の香りを漂わせたその3人はずいっとジャンディに迫り取り囲んだ。

だがその程度で怯むようなジャンディではなかった。
キッと3人をまっすく見てきっぱりと答えた。
「F4?なに?それ。知らないわ」

3人が肩を竦めて呆れた様に首を振る。
「転校生! 知らないみたいだから教えといてあげるわ」
「“花の4人組”つまりフラワー・フォーで“F4”」
「容姿も頭脳もずば抜けているだけでなく、我が国を代表するトップクラスの家柄の後継者の方々よ」
「あんたみたいな庶民がどうこう言っていい方々じゃないのよ」
「身分をわきまえる事ね」

「どれだけ優秀だろうが、身分が高かろうが、人としてやって良い事と悪い事があるわ」
「それが庶民の考え方だって言うのよ。忠告しておいて上げるわ。ここではF4がルールなのよ。無事に過ごしたければ大人しくしておくことね」

言いたいだけ言い放ち3人はもうジャンディに興味は無いとばかり、高笑いしながら遠ざかって行った。



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風の坂道 6


ある意味では似た境遇だが、それぞれが強烈な個性を持つ俺達4人は不思議と波長が合ったようで、お互いのテリトリーを尊重しながらも時には一緒に過ごすようになっていた。

ソウルに来て2年が過ぎる頃、ハラボジが家を出て行った。
俺をこの家に残して家を出たハラボジに、裏切られた気分は否めなかった。
俺の人付き合いはますます悪くなっていった。

*

ジフに友人ができ、2年が経とうとする頃、これで大丈夫だろうと思った儂は家を出た。
ジフさえいればジュンソは儂がいようがいまいが何も言わんだろう。
同じソウルに居てジフの事は影から見守ればいいと考えていた。
ソウル市内に診療所を作り、その近くに住まいを構えた。

丁度その頃、青瓦台に勤務している警護官が交通事故死したことを知った。
儂の大統領時代、信頼していた警護官だった。
その警護官には子供がいたはずだ。調べてみると交通事故で警護官とその妻、そして息子も亡くなっており、娘一人が残されていた。
他に頼る親族もなく、天涯孤独となったその娘を儂は何とかしてやりたかった。

葬儀に参列し火葬場まで同行した儂は、人々が帰った後その娘に話しかけた。
父親に世話になった恩を返したいと言う儂に、赤の他人の世話になるわけにはいかないと固辞する娘。
まだ16歳という若さでありながら、しっかりとした考え方をするその子に儂は好感を持った。両親の教えがしっかりとしていたのだろう。
儂にはその娘が“蓮の花の相”だと思えた。
―――泥も浄化する蓮の花―――
尚更、この子を寄る辺ない身にはできないと思い、儂は提案した。
「では出世払いで学費を貸そう。おまえが頑張って大学まで出て、働き始めたら少しずつお金を返してくれれば良い。生活費はおまえが儂の家に住み込みで家事をすることでチャラだ。儂にも少しぐらいは恩返しをさせてくれ」
本当のところ、その子も今後の自分の身の振り方には考えあぐねていたのだろう。無理もない。まだ未成年の子供だ。
それに困っている人間を放っておけない性格だった彼女の両親は、私財を投じて人助けをするような人間だったため、蓄えなど微々たるものだった。
まさか自分たちが愛娘を残して急逝するなど考え及びもしなかっただろう。

ようやく了承の意思を固めたその子ははっきりと告げた。
「ユンさん、でしたか?これからよろしくお願いします。改めまして私の名前はクム・ジャンディです」
「クム・ジャンディか…ジャンディ、儂のことはこれからハラボジ(お爺さん)で良い。宜しくな」

こうしてジャンディと儂の暮らしが始まった。

ジャンディは両親がそうであったように働き者だった。
せっせと掃除や洗濯、料理ももこなす。両親が共働きであったためか一通りの事ができる娘だった。
家事だけでなく、学校が終わると診療所の手伝いにもやって来るようになった。
時に儂の行きつけのお粥屋で二人食事をして帰ることもあった。

そして新学期を間近に控えたある日、儂はジャンディを呼び話した。
「ジャンディ、新学期からおまえには神話学園に通ってもらいたい」
「えっ、ハラボジ。神話学園ってお金持ちの学校じゃないですか?私みたいな貧乏人の庶民が行けるような学校じゃありませんよ?」
「大丈夫だ。学費は儂が出す。おまえは勉強を一生懸命しなさい。金持ち学校と言うが、それだけではないぞ。あそこの教育は多岐にわたる。外国語教育も普通の学校よりはるかに高度だ。教養やマナー教育にも力を入れている。神話を卒業することは今後のおまえにとっても必ず利益になる。儂に金を返すのは急ぐ必要はないのだからな。まず自分を高めなさい」

堅実だった両親そのままにジャンディも生真面目で、悪く言えば頑固だった。
儂の言葉になかなか従おうとはしない。
幾ら後々返済するとはいえ、学費から生活費など全てを儂が出すことを良しとせず、せめて自分の小遣いや生活費の一部だけでも自分で何とかしたいからアルバイトをさせてくれと言いだす始末。
仕方なく神話学園似通う事と、学業に支障をきたすような事があれば辞めさせる事、そして儂の行きつけのお粥屋ならと言う条件でアルバイトを許した。
大統領時代に儂の料理人を務めてくれていたボム・ソンチャンの息子、ボム・チュンシクがお粥屋の主人で、安心してジャンディを預けることが出来ると考えたからだった。

儂が了承したことで、新学期を迎える前からジャンディはアルバイトを始めた。



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すみません…🙏

いつも拙宅ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

先週、類つくの更新が出来ない事をお伝えしましたが、その家族の入院がもうしばらく長引きそうなのです。
自宅の集合住宅の耐震補強工事も始まって、家の事もバタバタ…😥

申し訳ないのですが、しばらくお話は書けそうにありません…🙏

落ち着いたら又再開します。

しばらくは韓国版のストック分だけの更新となります。
また、別ブログの『お家で趣味&Travel』の更新はしておりますので(二次ではありませんが)、興味のある方は遊びにお越し下さい。

暑くなって参りしたので、皆様体調管理にはお気をつけて。

私は入院した家族が家事一切をしてくれていたため、今は仕事から帰って家事に追われています。
そのせいか(?)風邪をひいてしまいました。頭痛いし、喉痛いし、鼻は詰まるし…
随分楽をさせて貰っていたなぁ、と、有り難みもひとしおです。
早く良くなって帰って来て欲しいです。

では、失礼します。

まーこ



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風の坂道 5


学園の門をくぐると交通渋滞かと思うほどの車、車、車の列。
見ればそれぞれの車から運転手に見送られ生徒が降りている。
だが、運転手はその車の列の横を通り過ぎさらに奥のゲートへと進む。
不思議に思っていると、警備員の居るゲートの先に駐車場が見えてきた。
警備員が電話をかけているのが見えて止められるのかと思っていると、ゲートが開けられすんなりと中に車は滑り込む。

車を停めたパク運転手が降りて俺の為にドアを開けてくれて車を降りると、いつの間に来ていたのか数人の大人たちがそこに居た。
「ユン・ジフ君ですね。私はこの神話学園の学長です。ようこそこの神話学園へ。さあ、学園を案内しよう」
「なぜ僕だけ…?これは特別扱いではないのですか?」
「ああ、この学園はほとんどが持ち上がりの生徒なので必要が無いのですよ。基本的にこの学園は幼稚舎から大学までの一貫教育をしています。君は外部入学だからですよ」

そう説明を受けても特別待遇の感が拭えなかったが、それ以上追及するのも面倒で止めておいた。

学長自らに案内されるジフを見て周囲でヒソヒソと話す様子が見える。
漏れ聞こえる声は
―――外部入学…?
―――どちらのご子息かしら?
―――ステキ!
―――F3みたいにかっこいいわね

“ウザっ”思わず心の中で舌打ちしながら学長の後をついて歩く。

一方、生徒たちのそのざわめきに気付いた男たちが3人。
エントランスホールの2階から見下ろしながら
「あいつ、誰だ?」
「外部入学生じゃないか?」
「だろうな。学長が自ら案内してるってことは、かなりの家柄ってことかな?」
「ふんっ!一度顔を拝みに行ってやるか」
「おいおい。また気に入らなきゃ赤札貼る気か?」
「ジュンピョ、おまえもう面倒起こさないでくれよ」


ジフと学園長の前方から3人の男子学生がやって来た。
「おお、ちょうど良かった。君たちにも紹介しようと思っていたんだ」
学園長が3人に声を掛ける。
「「おはようございます、学園長」」
3人のうちの2人が学園長に挨拶をするが、1人だけは挨拶もせずジフを睨んでいる。
“なんだ、こいつは…”気に食わない態度だと思いながらもその感情は表に出さない。
「外部入学のユン・ジフ君だ。スアム文化財団のユン・ジュンソ理事長のご子息で、お爺様はユン・ソギョン元大統領閣下だ。学園に早く慣れるよう君たちも協力してあげなさい」
この時顔には出さなかったが、学園長が発した言葉に俺は驚いていた。
“ハラボジが元大統領?”

3人の中で一番人当たりのよさそうな男が口を開いた。
「学園長、よろしければあとは俺達が案内しますよ」
「ソン・ウビン君、それじゃあよろしく頼むよ」
“ふーん、この世話焼きそうな奴はソン・ウビンって言うのか…”
「行こうぜ。俺はソン・ウビン。俺の家は一心会だ。でこっちのヤツがソ・イジョン。陶芸家ソ家の時期当主。祖父さんはウソン博物館を作った人だ。で、こっちの不機嫌な奴がク・ジュンピョ。神話グループ総帥の息子だ」
「良く解んねぇ奴に勝手に気安く紹介してんじゃねぇよ、ウビン」
“ク・ジュンピョ。こいつはケンカっぱやい単細胞か…”
「落ち着けよジュンピョ。今学園長から聞いただろ?こいつは俺達と同じ階級の奴だ。しかも見たところ人におもねる奴じゃなさそうだしな」
イジョンと紹介された男が冷静に分析し評価する。
“ソ・イジョン。冷静だが皮肉屋?”

「おい!黙ってねえで何とか言えよ」
「煩い…吠えるの止めろよ…」
カッとなったク・ジュンピョが殴り掛かってくる。
それを上体を最小限逸らして躱すと膝を曲げて相手の下に屈みこみ、ボディーに一発お見舞いし、さっと後ろに退く。
奴は腹に手を当てゴホゴホと咳き込んでいる。
「んの・やろう!!」
まだ殴りかかろうとする奴に両側から二人が止めに入る。
「止めとけ、ジュンピョ。これ以上やったらシャレになんねえことになるぞ」
ウビンの声に反対側のイジョンが“そうなのか?”という顔をする。

「おまえ、意外と場数踏んでるだろ?」
「…喋るの…面倒だし…」
「んで、拳か?気に入ったぜ、ユン・ジフ。俺の事はウビンでいい」
「おいっ、ウビンこんな奴に…」
「ジュンピョ、お前だって解るだろ?こういう奴は信用できる。俺達を見れば媚びへつらう奴らばかりなんだぜ?」
「確かにそうだな。俺はイジョン。ジフ、よろしくな」

「無駄に諍いたいわけじゃないし、あんたたちが俺を放っておけば済むことだ。じゃあ…」
俺はその場を後にして歩き始めた。と、向かいの建物の角を曲がってソヒョンが現れた。

「ジフ」
「あれ?ソヒョン・ヌナじゃねぇか。なんで?」
駆け寄ってきたソヒョンが3人に気付き声を掛ける。
「あら、みんなも一緒だったの?紹介しようと思ってたのよ、ちょうど良かったわ。私の弟のジフよ。今日から神話の高等部に通うのよ。仲良くしてあげてね」
「“仲良く”って…俺は子供じゃない…」
俺の無愛想な声など気にもかけず彼らと話し続ける。
「ヌナ、弟って…」
「ジフは今まで私達と離れてお祖父様と暮らしていたのよ。やっと一緒に暮らせるようになったのよ」
屈託なく話し続けるソヒョンに3人は言外の事情を察していた。

これが俺と3人の出会いだった。



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風の坂道 4


それからの日々は更に慌ただしさを増し、ついにソウルへ行く日が来た。
必要なものだけ纏めた荷物は後でユン家の使用人が運びに来ると言う。
ソウルへ持って行く必要のない物は、いままでお世話になった村の人たちに譲り渡した。

ハラボジと俺を迎えに黒塗りのリムジンが差回された。
運転手が降りてきて恭しくお辞儀をして後部座席のドアを開ける。
「閣下、ジフ坊ちゃま、お迎えに上がりました」
ハラボジをかつての敬称で呼ぶその声は心からのものだろう。けれど俺を“坊ちゃま”と呼ぶ声にも真実の響きを感じるのは楽観的すぎるだろう。

車は高速を走り一路ソウルを目指す。
「僭越ながら、古参の使用人達はわたくしも含めて閣下と坊ちゃまのお帰りを喜んでおります。よく御決心をなさってくださいました」
50歳を少し超えているのだろうか、その運転手は涙声でそう話した。

その運転手をハラボジは労わりながら、これからまた宜しくなと声を掛けている。
そんなやり取りを黙って聞きながら車窓の景色が流れるのを見ていた。

やがてソウル市に入りさらに走って再び景色が郊外のものになった頃、長い塀が途切れたところで車は左にハンドルを切った。
俺達の乗るリムジンはそのままゆっくりと車寄せに滑り込み停車した。

到着致しましたと運転手が声をかけると、車寄せに待っていたのであろう使用人と思しき人物がドアを開け一歩後ろに下がると恭しくお辞儀した。
「閣下、ジフ坊ちゃま、お帰りなさいませ」

ハラボジに続き俺も車を降りると驚いたことに他にも10人以上の使用人が勢ぞろいし頭を下げていた。
「皆、出迎えご苦労だった。元気にしておったかな?また世話になるがよろしく頼むよ」
ハラボジが鷹揚に声を掛けている。
「お帰りをお待ちしておりました。またお仕えできて嬉しく思っております」
年齢から古参と思われる使用人がそう答えている。

そんなやり取りを耳の端で聞きながらそっと視線だけで家を窺う。
新羅宮廷を思わせる建築様式の家屋。正面玄関前はちょっとしたロータリーのようになっていてそれだけでも広いが、その後ろには林が広がっており多分その奥には庭園もあると思われた。ここから見える以上の広さがあることが容易に想像できた。

皆さまお待ちですと使用人が先に立って案内される。
玄関は古風な趣に反して自動ドアで長い回廊を通って居間へと通された。

そこには父親とその妻、そして姉の3人が座って俺たちの到着を待っていた。
「お父さん、お帰りなさい。ジフもよく来たね」
いかにもな父親面をして話すその人に話す気にもなれず、ただ黙って頭を下げた。
となりの夫人もやはり体裁を繕った挨拶をする。
「お義父さま、お帰りなさいませ。ジフ君もこれからは私の事を母と思って何でも遠慮なく言って下さいね」
“仮面家族だな”そんな思いが過ぎる中、唯一人掛け値なしの歓迎を表していたのはソヒョンだけだった。

ハラボジが事前に注文を付けていたのか、俺とハラボジの部屋は母屋ではなく、回廊で母屋と結ばれた離れだった。
あの父親と義母と少しでも距離を置けるようにとのハラボジの配慮だった。
それに母屋は常に使用人がいるが、離れならば必要以外使用人も入っては来ない。

無駄に広く思えたこの家もそう言う意味では好都合で、俺は自分のプライバシーが守られることに安堵した。

そしてすぐに新学期を迎え、俺は神話学園高等部に入学した。


一緒に行こうと言うソヒョンを断り、一人外に出ると表には2台の車が待っていた。
ソヒョンの考えも俺の思いも解り切っていたハラボジが手配したものだった。
運転手の一人が一歩前に出て一礼すると、「本日よりジフ坊ちゃま付きの運転手を務めさせていただきますパクと申します」そう挨拶してドアを開ける。

正直ネットで調べただけで実際に神話学園に行くのは初めてだし、ここから最寄りのバス停や地下鉄の駅までもかなりの距離があることは解っていたから、素直にそのドアの中に乗り込んだ。
「パクさん?それじゃぁこれからよろしく頼むね。俺ソウルはほとんど初めてだから…
通学以外も頼んでいいの?」
「もちろんでございます。わたくしはジフ坊ちゃまの専属でございますから、どちらへでもお連れ致します」
「…その“坊ちゃま”だけは止めてもらえるかな…?」
「かしこまりました。ではジフ様とお呼びさせていただきますね」

それもどうかと思わなくはなかったが、彼の立場では致し方ないのだろうとそれ以上は言わなかった。



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類つく、更新出来なくてごめんなさい🙏

いつも拙宅ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

なんとか週1は…と思っていたのですが、家族の具合が悪くなり、救急搬送、入院、と、ドタバタしまして、更新できません。

お待ち下さっている方々には、非常に申し訳ない事になってしまいました。
ご容赦くださいませ。

落ち着きましたら、又頑張ります。

韓国版の方はストックを少しずつUPして行きますので、宜しくお願いします。

まーこ



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風の坂道 3


その夜、ハラボジは初めて家の事、仕事の事、俺の出生について話した。
ハラボジは社会貢献のためにスアム文化財団を起こし、その財団を今は息子であるユン・ジュンソが引き継ぎ理事長を務めている。
息子に理事長を引き継いだ後、大統領職を務めていたという。
俺の母はユン・ジュンソがただ一人愛した女性だった。
ハラボジは俺の母を気に入っていたが、名家の娘を妻に迎えることを己の義務と考え、ユン・ジュンソは母を妻には迎えなかった。
母は一般庶民の中でも貧しい部類に入る家の娘だったからだ。
「恋愛と結婚は別物」と言い放ち、俺の母を愛人とした息子に対してハラボジは怒りを覚えたという。
「儂が財団をもっと大きくできていれば、ジュンソも閨閥結婚など考えなかっただろう。
結局のところ儂の力不足だったのだ。ジフや、お前にはすまないことをしたと思っている」
俺は別にハラボジの所為だとは思わないと伝えたが、それでハラボジの気持ちが済むものではなかったようだ。
だが俺にはそう言う以上に言葉がなかった。

俺の父(と認めたくはないが)は正妻との間の一人娘に婿を取らせて財団の後継者とするつもりだったらしい。
だが娘はそれを甘受するつもりがないことが解った時点で、正妻を説得して俺を迎え入れ、後継者に仕立てようとしているのだという。

「おまえの父親の考え方は儂だとて到底納得できるものではないが、その一方でおまえに財団を継いでもらいたい気持ちもあるんだよ。おまえに辛い思いをさせたくはないが、この機会にソウルへ戻って勉強しないかね? いろいろ学んだ末におまえがやはり財団を継ぎたくないというなら、儂はそれで構わんと思っている。今回の事は決してジュンソの思い通りに動いてやるわけではないんだ…」
ハラボジの俺を思ってくれる真摯な気持ちに俺は決心した。
「解りました。ハラボジと一緒に行きます」


ハラボジは診療所を閉める段取りを進め、やがて俺も中学卒業を迎えた。
校門を出た所で黒塗りのリムジンが停まっていた。
俺は父親の事を思い出し眉を顰めた。
が、開いたドアから出てきたのは若い女性だった。

俺の前に立った彼女はにっこり笑って「ユン・ジフ?」と確信に満ちて声をかけてきた。
「そうだけど…?」
ぶっきらぼうに答える俺に彼女は自己紹介した。
「初めまして、私はユン・ソヒョン。あなたの異母姉(あね)になるわね」
ああ、父の正妻の娘か…
「私は一人っ子だったから弟がいるって聞いて嬉しくて会いに来てしまったの。これからよろしくね、ジフ?」
屈託なく微笑む彼女に俺は怪訝な表情を向ける。
「俺なんかに会いに来て、あなたの母親は良い顔しないんじゃないの?」
「どうして? 親の事情なんて関係ないわ。私たちは兄弟なんですもの」
ねっ、と言う表情には何の蟠りも屈託もなかった。

リムジンに乗せられ自宅へと向かう間、ソヒョンが嬉しそうに訊ねてくる。
「ハラボジ(お祖父さま)にお会いするのも久しぶりなのよ。ハラボジはお元気?」
「ええ」
仕方なく答えるジフに苦笑するソヒョン。

いつもは徒歩の道のりも車ではものの5分もかからない。
門を抜け玄関を開けて「ただいま」と声をかけると、ソヒョンを振り返り「どうぞ」とだけ呟いた。
居間へと足を向けるとソギョンが自室から出てきて「お帰り」と声を返したが、ソヒョンに気付いて驚いた表情になる。

「ハラボジ、お久しぶりです。ソヒョンです」
「ああ…ソヒョン。お前も元気だったか? それにしてもどうしてここへ…?」
「お父様から話を聞いたんです。ハラボジと弟に早く会いたくて来てしまいました」
にっこりとハラボジに笑いかけるソヒョン。
「おまえはジフの母親の事も聞いたのだろう?」
聡いソヒョンは戸惑ったソギョンの言外の意味を汲み取ったが、返す言葉は直接的なものであった。
「はい。でもそれはお父様とお母様、そしてジフのお母様の問題であって、私とジフが姉弟であることに何ら変わることはありませんから。親たちの事情で姉弟が諍う必要はないと思います」
きっぱりと言い切るソヒョンにソギョンも顔を綻ばせた。
「そうだ。おまえの言う通りだよ。おまえの両親もおまえぐらい聡明であってくれれば良かったのにな…」
そう言うとソギョンは一瞬遠い目をした。
「ソヒョン、これからジフの事を頼んだぞ。ジフも姉弟仲良くな。学校の事や解らない事はソヒョンにも相談するといい」
「はい、ハラボジ。新学期からジフも神話学園の高等部に通うのよね? 私は2つ上だから3年よ。何でも聞いてね?」
「…別に聞かなくても自分で何とかするよ…俺の事は構わないでくれる…?」

急に現れた姉と言う人にいきなり弟だからと世話を焼かれるのもウザったい。何より姉と言う実感さえないのに。



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風の坂道 2


「勝手な事を言うなっ!お前という奴は!」
「お父さん、財団には後継者が必要です。ジフを私に返してください」
「はっ!後継者?息子ではないのか?まったくおまえは未だにもって何も解っておらん!
なぜ、父親としてジフを迎えに来んのだ?」
「それほどジフがご心配でしたら、お父さんも一緒に戻っていらしてください」
「なんという…勝手な事を…」

―――父親?俺の?財団の後継者?なんのこと?―――
話に気を取られてつい気配を消すことがおろそかになり、足元の石がザリっと鳴った。
その音にハラボジがはっと気づき声を上げる。
「ジフ!ジフか?」
一瞬、身を翻しその場を逃げ出そうかとも思ったが、頭の片隅で『逃げても無駄だ』という思いがよぎり家の中に足を踏み入れた。

「ただいま、ハラボジ」
「おかえり…」
祖父の傍にはスーツ姿の男性。年の頃は40前後か?
まるで俺を値踏みするようにじっと眺めている。
いくら年長者とはいえ、その無礼な視線に腹が立ち俺もじっと睨み返す。

ふっと微かに笑うと、その男は視線を逸らし祖父へと顔を向ける。
「良い面構えをしていますね。さすがお父さんが育てただけある」
祖父に対するその言葉と態度に苛立つ。
「ハラボジへの御用がお済みでしたらもう帰って下さい」
拳を握りしめ、殴り倒したい気持ちを抑えながら発した俺の言葉に、そいつは澄まして答えた。
「いや、まだ用は済んでいないよ。私は君を迎えに来たのだから」
「なぜ? 迎えに来てもらう謂れはありませんが?」
その男がふっと笑ったように見えた。
「理由はある。なぜなら君は私の息子だからだ」
「俺には父親はいない」
努めて冷静に言葉を返す。
「お父さんは君に何も話していないのか?」
呆れた様に溜息を吐きながらそう話す男に苛立ちが募る。
俺は衝動を抑えて低い声で話す。
「たとえ父親だとしても、今まで何一つ関わっても来なかったのに、今更用は無いでしょう?」
「お父さんが君を隠していて、さすがの私も見つけ出すのに時間がかかってしまったことは否定しない」

そこでハラボジが割って入った。
「お前からジフを隠しおおせたのはほんの数年だけだった。心からジフを息子として迎えに来る気があったなら、今ではなくあの時だったはずだっ!」
悪びれもせずそれに答えを返す男。
「おっしゃることは解りますが、妻を説得するのに今まで時間がかかったのです。妻が納得しなければジフを連れて行っても暮らしづらいでしょうからね」
「あの嫁が納得したのか? 本当にジフを迎え入れると言ったのか?」
ソギョンは何処までも懐疑的だった。
「彼女もようやく諦めたんですよ。自分の娘に背を向けられてね」
ほっとしたと言うよりは、彼自身も苦々しげに語った言葉。
彼自身が娘の背信により諦めざるを得なかったように聞こえた。
「…そんな理由で…儂は納得できん…」
「では伺います。お父さんは財団を手放しても良いとお考えですか?」
「…くっ…」

ソギョンとて心血を注いだ財団をみすみす他人に譲りたいわけではなかった。
できる事ならジフに引き継いでもらいたいという気持ちはあった。
だが…我が息子ながら、この男の元に行かせていいものだろうか…?

「ですから私は先ほどからお父さんにお伝えしてるじゃないですか? ご心配ならお父さんも一緒に戻ってくだされば良いんです。あまり頑固な事を仰ると、私にも考えがありますよ?」
「それでも儂の息子かっ?」
「心外ですね? 尊敬するお父さんを見習っているだけですよ。『信じた道は迷わず突き進む』それがお父さんのやり方だったでしょう?」
「……ジフが中学を卒業するまで時間をくれ。それまでに整理をしておく。ジフにも少し時間をやってくれ…」
絞り出すようなソギョンの答えを聞いて男は満足の笑みを浮かべた。
「いいでしょう。ジフは神話学園の高等部に入学させるよう手続きをしておきます」

父親と言う男と祖父の間で交わされる会話に腹が立つ。
「俺は行かない! ハラボジもなんで言う事を聞くんですか?」
俺の叫びにハラボジが厳しい表情で諭すように答える。
「ジフ。儂が決めたんだ。こうしてこいつが来た以上、もうこのままここで暮らすことはできん。詳しいことは後でおまえにきちんと話す。今は黙っていなさい」
俺にとってハラボジは祖父であり親代わりだ。
ハラボジの言葉には逆らえない。
仕方なく俺は黙り込んだ。

やがて男は「また」と言って黒塗りのリムジンに乗り込み帰って行った。



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天国の記憶24


園内に入ってはしゃぐつくしの笑顔を見ているあきらだったが、最初の興奮が少しおさまってきたつくしにはあきらがこういうところが苦手であることが分かってきた。
今日ここを選んでくれたのは自分のためなのだと思うと申し訳ない気になってくる。

「…美作さん、こういうところ苦手なんでしょう?ごめんなさい、あたし一人はしゃいじゃって…」
「なんで?牧野が喜んでくれたほうが俺は嬉しい。俺はよく判らないからさ、牧野が楽しみ方を教えてくれれば良いんだよ」

そう言われてしまえば、あきらにも楽しんでもらえるようにと次々と説明を始める。
「ゆったり乗れる乗り物もあれば、ジェットコースターのような乗り物もあるし、エンテーテイメントショーもあるんですよ。美作さんはどういうのが好みですか?」
「牧野はどんなのが好きなんだ?」
「あたしはどれも全部好きだから、美作さんに合わせますよ」

自分に合わせるというつくしの言葉が嬉しくて、
「よし、じゃあ片っ端からチャレンジしてやる。牧野と一緒なら何でも楽しそうだしな」

「どういう意味ですか」
「そのまんまだよ」
「意味、分かんないんですけど…」
「まあまあ、良いじゃないか。行こうぜ」


次はこれ、次はあれと楽しそうなつくしに合わせながら、まるで中高生のデートだと苦笑をかみ殺すあきら。
―まあ…変に最初から構えて警戒されるよりはマシか…

先を焦ってヘマをしでかすわけにはいかないと、ともすれば先走りそうになる気持ちを抑える。
つくしと一緒ならば、不思議とこんなデートでも苦にはならなかった。
気が付けばまるで子供に戻ったかのように楽しんでいる自分がいた。


いずれは親の会社を継ぐのだからと子供の頃から英才教育を施され、折に触れてはそう刷り込まれて育った自分には、同じ立場の幼馴染たちと悪さをすることが精いっぱい。普通の子供たちのような楽しみなど無縁と思っていた。
どうせ敷かれたレールの上を走らされるのなら、せめてガキの頃は好きなようにしたいと親が許容する範囲内でやりたい放題やってきた。
女を知ってからはアバンチュールを求める人妻とうまく遊んでマダムキラーを気取ってた。

牧野に会ってからだ。
そんな自分が空しくなって、本当に自分が欲しいものに気付いたのは。
だから必死に頑張っていた。自分の望みを叶えるために。この手に掴むために。
もうすぐこの手に掴めそうだった時、類が帰ってきて俺の思惑はすべてが狂ってしまった。

俺も類も1から…いや0からのスタートだ。
今度こそ…


「あーっ、楽しかったぁ。美作さん、今日はどうもありがとうございました」
「楽しめたなら良かった。俺も初めてだったけど結構楽しかったよ」
「良かった。あたしだけ楽しんでたら美作さんに申し訳ないと思ってたから」
「正確には牧野を見てるのが楽しかったよ。表情がコロコロ変わって」

頬を赤らめて少し拗ねた表情の牧野が言う。
「あっ、子供みたいだって思ったんでしょう?良いですよ。自分でも自覚してますから」

「それが良いんだよ。俺はそんな牧野が好きなんだ」

牧野は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

「そろそろ行こうか。食事して帰ろう」


食事の後、美作さんはあたしを道明寺邸まで送ってくれた。
家を教えて欲しいと言われたけれど、まだ教える勇気がなかった。
待つと言ってくれた美作さんはそのかわりまた会ってほしいと言った。



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風の坂道 1


俺の最も古い記憶はとても微かで、ともすれば消えてしまいそうなほどだ。
おぼろげに残るその記憶にある人は母親だった。
今では顔すらはっきりと思い出せない。
なぜなら俺はその時わずか3歳だったのだから…

俺が理解できる歳になった時に、母親が病死したことを教えられた。
幼いころから父親はいなかった。
物心ついた頃から俺の家族は母親と祖父の二人だけだった。
祖父は俺を慈しんでくれた。母が亡くなってからは特にそうだった。
釣りにも良く連れて行ってくれた。

俺が小学校に上がる年に地方に引っ越した。
そこで祖父は小さな診療所を開き、町の人たちの診療をしていた。
それまでの祖父の職業を俺は知らなかった。ソウル近郊に住んでいたが、その頃祖父はたまにしか帰って来なかった。
『ジフや、寂しい思いをさせてすまないな。もうすぐもっと一緒にいてやれるようになるから、あと少しだけ辛抱してくおくれ』
俺を気遣っていつもそう言っていた。

医師という職業のせいか生活に不自由はなく、通いの家政婦のおばさんが俺たちの食事や洗濯などの世話をしてくれていた。
祖父は俺に押し付けはしなかったが、『多くの事を学んだ上で、自分のやりたい事を見つけろ。まず、何でも学べ』と言ってとにかく多くの事を学ばせた。
俺の通う学校は普通の公立学校だったが、学校から帰ると家庭教師が来て学校で学べない事を勉強していた。

元来、人と交わることが億劫だった俺は、同年代の子供たちと遊ぶよりは知らない事を学ぶことの方が楽しかったため、特に苦にもせず毎日勉強していた。
そのせいで同級生から『勉強の虫』だの『付き合いの悪い奴』だの、挙句は『末成り』呼ばわりで、さすがにイラついてそいつを締め上げたらそれから誰も何も言わなくなった。
だって俺はこう見えて運動神経も悪くなかったから。
俺の知識欲を満たす為、ハラボジは沢山の本を買ってくれた。
そしてハラボジの知り合いだと言う人が時折訪れては、俺の家庭教師となってくれた。

そして月日は流れ、俺がまもなく中学卒業を迎えようとしていたある日、家の前に黒塗りのリムジンが止まっていた。
―――何だ?この車?―――
そう思いながら、玄関を入るとハラボジの声が聞こえてきた。




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