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蓮のつぼみ9

ウビンとカウルが合格祝いをしてくれてから、ソギョンの診療所へ通う日常が戻っていたが、それと共に大学の入学準備を進めていた。
ジフは彼女にあれこれと参考書を貸してくれたうえで、自分で持っていた方が良いという専門書も教えてくれた。
彼女に買い与えることはジフにとっては容易いことだったが、それは彼女が受け入れない事は明らかだったので、アドバイスまでに留めた。
彼女はバイトでお金を貯めて少しずつ揃えるんだと意気込んでいる。
そんな彼女をいつもの優しい眼差しで見守りながら、『ジャンディらしいな』と思っている自分がいる。

約束の時が過ぎ、ジュンピョが彼女を迎えに来るその時までは、ジャンディの傍に居て自分にできることは何でもしてあげたい。
ジュンピョの代わりで良いから頼って欲しい。
そんな事ばかり考えている自分を自嘲しながら、それでも想うことは止められない。
自分の気持ちを隠して『良き先輩』の仮面を被り、毎日のように何くれとなく彼女の世話を焼くのが、密かな楽しみであり、幸せなのだ、と思い込もうとしているのだ。

そんなジフの気持ちを知る由もないジャンディは、『先輩』に全幅の信頼を寄せる。
彼女の心の中のジュンピョが占める場所は時と共に、次第次第に小さくなって行き、今ではほんの片隅を占めるのみ…今の彼女には医学のこと、そしてジフの存在が再び大きくなってきていた。
それでも彼女は自分の気持ちにまだ気づかない…


***

入学してからは勉強に追われる日々が続いていた。
解らない所があればいつもジフに教えてもらう、そんな日々が続く。
ソギョンの診療所でアルバイトを続けながら、ソギョンにも教えを乞うた。

もっとも医学部6年のうち最初の2年は医学部進学課程。物理学、化学、生物学、物理化学、有機化学などの必須科目を他の学部と同様に修めなければならない。
医学の専門課程は3年目以降だ。
この教育システムのお蔭でジフはロスなく医学部に転部でき、現在は4年生である。

ウビンが心配するようなことは起こらずに済んでいた。
というのも医学部は外部進学者も多く、今までの経緯を知る者も少なかったからだ。
だが、しばしばジャンディを送って来たり、迎えに現れるジフの姿が十二分の牽制となっていたことを彼女は知らなかった。

そして今日も…
「ジャンディ、今日はハラボジの診療所の日だろ? 俺も行くから一緒に行こう」
さすがに高等部のように叫びだすような女生徒はいないが、教室がざわりとする事までは止められない。
周囲の好奇の目に見送られて教室を後にする。

「あ、あの、ジフ先輩だって忙しいのにいつも迎えに来てくれなくても、あたし一人で大丈夫ですから…」
「気にしなくていいよ。俺がしたくてしてることだから」
「で、でも…」
と、顔を覗き込むように身体を屈めてじっとジャンディの目を見つめる。
「ジャンディは嫌なの?」
自分でも顔が上気するのが解って、しどろもどろになりながらやっとのことで答える。
「そ、そんな、嫌なわけ、ない、です…」
「じゃあ、良いよね」
何も問題ないと言わんばかりに、ジャンディの手を取ってバイクのところに向かう。
いつものようにヘルメットを手渡され、それを被るとシートへ目で促される。
「じゃ、行くよ。しっかり捕まってて…」
ジフのバイクに乗せてもらうのは初めてではないのに、自分の心臓が激しく音を立てて跳ねるのが解って、背中越しにジフに伝わってしまうのではないかと思うだけで、鼓動は更に早まるのだった。
熱くなる頬に風を受けて、ほてりが少しでも冷めればいいと思っているうちに診療所に着いてしまう。

自分の顔が赤いことを自覚しているジャンディは何とかごまかしたかった。
「きょ、今日は風が少し冷たかったですね。風で顔が赤くなっちゃってそう…あははっ…」
ヘルメットを返し、ありがとうございましたと頭を下げて急いで診療所に入って行く。
その後ろ姿にクスリと笑みが漏れる。

「ハラボジー! こんにちは、今日も宜しくお願いしまーす!」
ひょいと診察室から顔を覗かせたソギョンが、チッチッと舌打ちしながら小言を言うのはいつもの光景。
「まったく…いつも騒々しい奴め…患者さんがびっくりするだろうが…」
待合室の患者たちはお馴染みのやり取りに慣れたもので驚くどころか笑顔だ。
「先生、元気で良いじゃないですか。この娘の笑顔でこっちまで元気になるよ」
「ほんと、ほんと、それに優しいいい子だよね?」

クルクルと独楽鼠のように良く働くジャンディは診療所に来る患者の人気者だ。
特に年寄りに気に入られやすく、老齢の患者からソギョンがよく聞かされることは、『年の近い孫息子がいたら嫁にしたい』と言うものだった。
そう聞く度にソギョンは笑いながらこう言うのが常だった。
「ダメですよ。あの子にはもう決まった人がいるんですから」

ソギョンとてジャンディがジュンピョを好きな事は知っていた。
それでもあきらめきれない思いがある…
他ならぬ自分が見込んだのだ、何よりも大事な孫息子、ジフの伴侶、と。

そんな事も、ソギョンの思いも知らぬジャンディは、今日も元気に診療所の中を動き回っていた。
そしてそのジャンディを愛しげに見つめるジフの姿に心を痛めるソギョンだった。




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咲きました

この間、今年初めての月下美人の花が咲きました。
一夜だけ咲く花ですが、非常に強い芳香があります。
一晩中香り続け、朝花がしぼんでもまだ香りが残っています。
DSC_0006.jpg



その他に夜香木(ヤコウボク)も咲いています。
その名の通り夜になると良い香りがします。
英名はナイトジャスミン。
よく混同されますが、夜来香(イェライシャン)とは別のものです。
我が家では二大「夏の香り」です。
DSC_0009.jpg



家にはありませんが、私が好きな季節の香りは

春 沈丁花
夏 夜香木・月下美人
秋 金木犀
冬 柊

月下美人を除いては小さな花ばかりですね(^-^)


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『City Hunter in Seoul』と勝手にコラボ 【青瓦台の出会い】3

【青瓦台の出会い】3


「ただいまー」
例によってジャンディが声をかけながら家に入る。
ジフとソギョンがそんな彼女に続いて入り、リビングに腰を落ち着けると、やれやれとソソギョンがため息をついた。
「すまなかったな、付き合わせてしまって。疲れたろう。まあ、これでウンチャンも気が済んだだろう」
「頂いた絵はどうしたらいいですか?ハラボジ」
「ああ、そうだったな。表装をしてもらって掛け軸にするかな? ウンチャンが蘭を好んで描くのは、蘭が枝もなく葉だけで生きているからだと言っていた。最近は金や学歴やコネがないと生きづらい世の中になっていて、そんな人間よりも立派だ、とな…だからあいつはそういった事柄でなく、人間を見て登用するんだよ、あの女性警護官のように」
「雅号の『向日(ヒャンイル)』もそういう所から付けられたのかな?」
「ふむ…そうかも知れんな…向日はひまわりの事だからな…」
「あのイ博、地図通信チームの職員って言ってたけど、それだけの人なのかな?」
「うん、どうした?ジフ」
「ジュンピョに似ているのとは関係なく、なんだか只者じゃない気がする…
青瓦台に就職しているんだから身元は確かなんだろうけど…」
そこへジャンディがお茶の用意をして入って来たので、その話はそれまでになった。


一方、ユンソンはチェ・ウンチャンに関わる4人以外に、親密そうな人物として突然浮上してきたユン・ソギョンについて調べ始めた。
『一掃作戦』に関わりがあるのか、ないのか。
無かったとしても、何らかの不正にかかわるようであれば、見過ごすことはできない。

ソギョンについて調べてみると、歴代大統領の中でも群を抜いて清廉潔白な人物だということが解ってきた。『金見如石』で良く知られる高麗(コリョ)時代の崔瑩(チェヨン)将軍に例えられる程であったらしい。
そんな性格ゆえに、権力欲や金欲にまみれた政界において反対勢力も多く、息子夫婦を暗殺されたのだった。
今でこそ仲睦まじい祖父と孫であるが、その事件がもとで長らく孫との確執があったことも解った。
―――巻き込みたくなかったんだろうが、当時5歳の孫にはまだ理解できないだろうな…――――
大統領職を辞してからは、亡き息子夫婦の理想を叶えるため、スアム文化財団に力を注ぎ、
芸術と医療に力を入れている。
―――どこをつついても、一切疚しいところは無いな。評価通りの人物のようだ…それにあの孫嫁を家柄などでなく、人柄で認めているあたりはやはり優れた人なんだろう―――

そう結論を出してしまうと、あの孫夫婦の言っていた自分に似ているという人物のことがふと気になってきた。
ネットで検索してみれば、すぐに膨大な情報が溢れて出てくる。
『ク・ジュンピョ。神話グループ後継者。現在は専務としてアメリカを中心に活躍中』
『一旦破談となったJKグループ令嬢と再度婚約、結婚へ』
など、経済界の話題から下世話なゴシップまがいのものまで、良くも悪くも注目を集める人物であるらしい。
古いものでは神話学園時代の『赤札』事件まで出ていた。
―――『赤札』?何だ?―――
その記事に『ワンダーガール』として紹介されている少女は、先日青瓦台で会ったジフの妻だった。
―――ふっ…あの奥さんもなかなか…波乱万丈だな…―――
一時期はク・ジュンピョと付き合っていたらしいことまで解った。
―――『F4』か…ただのお坊ちゃまじゃなさそうだな―――

***

青瓦台を訪問した事を聞きつけて、決して暇ではないはずの悪友たちがジフの家へと押しかけて来ていた。
高等部時代に戻ったかのように好奇心を全身に纏わせた二人に、いささか辟易するジフ。
「へぇー、そんなに似てんのか?」
「中身まで似てたら最悪だけどな。中身はちがうんだろう?」
興味を掻き立てられたウビンとイジョンが面白そうに話す。
「でもね、髪の毛はサラサラヘアで明るい色だよ。ク・ジュンピョのクルクルヘアとは雲泥の差だった」
ジャンディの身も蓋もない言い方に周りの全員が苦笑する。
補足するようにジフが続ける。
「俺たちよりも年上だからか、ずっと落ち着いて大人びてる。それにMIT出身で博士号を持っているエリートだ」
「まあ、できれば一度会ってみたい気はするね」
「俺も会ってみたいが、それより大統領の女性警護官に興味があるな」
「ちょっと、イジョン先輩。カウルがいるのに浮気なんかしたらあたしが許さないから!」
「おいおい、ジャンディ、ただの好奇心だよ」
ジャンディの怒りの声におどけて答える。
普段は他人に興味を示さないジフが、珍しく話を続ける。
「イ博士とその女性警護官、恋人同志なんじゃないかな…?」
「ええっ? そんなそぶりあった?」
「いや、表向き二人とも『勤務中』の態度は崩さなかったけど、時々視線を合わせてた」
「ジフ、おまえにそんな空気が読めるとは思わなかったぜ」
驚きを隠さないイジョンに対し、ウビンは納得の態だ。
「おまえの変化はジャンディのお蔭だな」

帰宅したソギョンがウビンとイジョンを見て声をかけてきた。
「おっ、悪ガキどもが集まっておるな」
「ハラボジ、お邪魔してます。でも俺たちもいつまでも悪ガキって年じゃないですよ」
苦笑しながら軽く否定するウビンに
「儂から見ればまだまだ、充分悪ガキだ! おお、、そうだ。ジャンディ、ちょっと手伝ってくれんか?」
ソギョンに言われて、ジャンディはその場を離れた。

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生きていく意味 ―アゲハ…その舞い降りる先に― 34

つくしと類は昔懐かしい佇まいを見せる練馬区の一画に来ていた。
片手にしたメモを見ながらきょろきょろとあたりを見回すつくしの姿に、その手からメモをすいっと奪い取るとチラリと目線を走らせ、こっちだよと誘導する類。

辿りついた歴史を感じさせる『町屋』の風情が色濃い木造家屋。古びた木彫りの『江戸染小紋』の看板が見て取れる。

意外そうな表情の類がつくしの顔を見ながら訊ねる。
「ここ…?」
「うん…だと思う。このメモの住所ってここでしょ?」

来ては見たものの、どうしたものかと戸惑っていると家屋の中から言い争う声が聞こえてきた。

「お父さんっ! もぉっ、無理はしないでって言ってるじゃない!」
「おれぁ、もう大丈夫だって何度も言ってんだろっ!牧野先生に手術してもらってすっかり良いんでぃっ!」

聞こえてきた自分の名前にやはりここで間違いなかったことを確信したつくしは、思い切って玄関に手をかけた。
扉は施錠されておらずカラリと音を立てて開いた。

「あの…こんにちは」
目の前で先ほど言い争っていたであろう2人の人物の姿があった。
その1人、いかにも頑固一徹の職人と言った人物はつくしを認めた途端、上機嫌に向き直った。
「おおっ、牧野先生! 来てくれたんだな」
「仁村さん、その後調子はいかがですか? あたし伝統工芸とか良く知らないので、お言葉に甘えて寄せて頂いたんですけど…構いませんか?」
「そうかい? 嬉しいこと言ってくれるよね、先生は。先生のおかげでまた仕事ができるようになったんだ。ぜひ見てってくんな。ん?先生、そちらの御仁は?」」

仁村のもの言いに一瞬江戸時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えながら、どう紹介したものかと戸惑っていると、類が口を開いた。
「初めまして、花沢と申します。牧野の夫です。職場ではまだ旧姓のままなのですが…入籍はもう済ませております」
「へぇっ、そうだったのかい? 先生のこと大事にしてあげて下さいよ。それじゃぁ、御夫婦そろって訊ねてきて下すったんだね。嬉しいねぇ」

苦笑しながらつくしが娘と思しき人物に声をかける。
「今日は突然お邪魔しましてすみません。すこしよろしいですか?」
「牧野先生? この度は父がお世話になりましてありがとうございました。でも退院してからというもの以前と全く同じように仕事をしようとするんです。私たちの言う事なんて全然聞いてくれやしなくて…先生から言い聞かせてやっていただけませんか?」
「ええっ?そうなんですか?」

とたんにバツが悪そうにあわててつくしに言い訳を始める。
「おまぇっ! 何言ってやがんだ… いやね、先生、ほら、その…慣れた仕事だし…」
「仁村さん、お仕事はしても良いけど、根を詰めるのはダメですって言ったでしょう?」
「いや…だから…根を詰めたのはまだ…一回こっきりで……」
最初の勢いはどこへやら、だんだんと声が小さくなってくる。
「…だから…先生を見てたら俺も久しぶりに新作を作りたくなって…退院したらまずこれだけはって思ってたんだよ…」
「あっ、お父さん、もしかしてあの新作は…?」
「…んだよ。あれは最初に牧野先生にもらってもらいてぇと思って作ったんだ…」

仁村の娘は得心の笑顔を浮かべ、急いで家の奥に入って行く。
やがて風呂敷包みを携えて戻ってくると、二村に手渡しながら一言告げた。
「お父さん、これでしょう?」




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生きていく意味 ―アゲハ…その舞い降りる先に― 33

久しぶりに何も予定のないオフの土曜日、同じく休日の類を起こさないようにベッドを抜け出し晴れ渡った空を眺めながらミネラルウォーターを飲んでいた。

慌ただしい日々を過ごしながら、気が付けば結婚式は一週間後になっていた。
無事に休暇も取れ、留守中は患者の事は自分が代わりにちゃんと診ておくからと朱音が引き受けてくれた為ほっとしていた。

世界のトップ企業の頂点に立ち、休む暇もないほど忙しいであろうはずの人たちであるにも関わらず、招待状を送った全員が出席の返事を返してきた。
ドクター・ライツやドクター・ノーマンにしても同様であるはずが、かれらも出席するという。
それぞれスケジュールが立て込んでいて、来日の正確な日時予定が立たず、飛行機のチケットの用意は諦め宿泊の手配だけをしてもらった。
もっともヒューストン達は自家用ジェットで来日するし、エリソンの系列ホテルのスゥイートをしっかり手配していて何の用意も必要なかったのだが。


取り留めもなくここ最近の日々をぼんやりと思い出していると、不意に優しく後ろから抱きとめられた。
ふわりと香るフレグランス。

「類、起きたの?」
つくしが腕の中で顔を軽く後ろに向けると、類の唇が降りてきた。
軽いリップ音を立てて唇が離れる。
「おはよ、つくし。早いね?」
「毎日遅いんだから類はもう少し休んでたら?」
「つくしだって仕事で疲れてるのは一緒でしょ? せっかくつくしと一日一緒に過ごせるのに、寝てるなんて勿体ないでしょ?」
「やだ、類が『勿体ない』なんて言うなんて…『三年寝太郎』は返上したの?」
くすくすと笑いながらつくしが言うと
「そんなものは大学を卒業した時にほとんど強制的に返上させられたよ。こき使われて寝かせてなんてもらえなかったからね」

やっぱり類もジュニアとしての責任感は有ったんだね、と感慨深げに口にするつくしに苦笑いしながら類が告げる。

「ジュニアの責任感じゃないよ。今のつくしと居られるこの時の為だよ。つくしともう一度会えてら必ず捕まえて、絶対誰にも何も言わせるものかって思ってたからね」

事もなげに語る類だったが、それは鋼の意思が求められることであったことは想像に難くない。
つくしの目が潤む。
泣き笑いのような顔になっていることを自覚しながら、努めて明るく訊ねる。
「類、朝ごはんどうする?」

つくしの事などお見通しの類は彼女の感慨を察して、こちらも軽やかに答える。
「軽くで良いよ。コーヒーも飲みたいな」
「うん、すぐ用意するね。シェフのお料理をいつも佐村さんが持ってきて冷凍庫に入れて下さってるから、すっごく助かる」

言葉通り軽い朝食を済ませ、食後のコーヒーを飲みながら類が問いかけてきた。
「今日、どこか行きたいとこある? ずっと準備で忙しくて自由な時間なかったでしょ?」
「う…ん、でも類は? 類が行きたい所だってあるでしょ?」
「俺はつくしと居られれば、ずっと家に居ても良いよ」
「…で、ずっと寝てるの?」
「つくしがそれでいいなら、ずっと“寝て”いるのも良いね」

類の言葉の含みに気付いて顔を真っ赤にするつくし。

「も…もうっ! あたし、今日行きたい所があるのっ!!」
クスクスと笑いながら類は答えた。
「ん、じゃ行こうか?」


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類を愛する皆様へ質問です

当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

私の拙いお話を読んでくださり、拍手 ナイスやコメントをお寄せ頂いて、全てが励みになっております。


さて、多くの二次作家様が類の香りについて、『柑橘系のフレグランス』と表されています。(私もですが)

私のかなり真剣な疑問です。

『花沢類のフレグランスは一体何か?』

まあ、私なりに調べたりもしたのですが、最終的には実際香って見ないと分からないという事もありますし、本来こういう事には疎い人間ですので…
一つ解っている事は、柑橘系つまりレモンやオレンジのあの爽やかな香は持続性がなく、付けた時だけの一瞬=トップノートであるという事です。
それでも、辺りを着けていくと、ブルガリのプールオムとバーバリーのウィークエンドに行き着きましたが、バーバリーは現物を確認できませんでした。

結局、ブルガリのプールオムを今使っています。(プールオム=for men=男性用)

原作の年代からして最近の新作フレグランスではないと推測し、フランス、イタリアをターゲットに絞りこんで見たのですが…

どなたか、類の香水をご存知のかたがいらっしゃいましたら、教えて下さい❤️

『私はコレだと思う❗』という情報でも良いですよ~❤️

まーこ


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生きていく意味 ―アゲハ…その舞い降りる先に― 32

特に気にかかる患者もなく、それなりに早目に帰路につく。
このところ遅くなる日が多い類のことを思いながらマンションに帰ると、程なくして類が帰宅した。

「類、お帰りなさい。今日もお疲れ様」
「ん、ただいま。つくしもお疲れ様」
つくしを軽く抱き留め、触れるだけのキスを落とす。

ネクタイを緩めながらリビングへと移動しながら、話があるんだと改まって告げる類に目を向け、その穏やかな顔から悪い話ではなさそうだとほっとする。

「食事より先に話をしても良い?」
話を急ぐことを不思議に思いながらもコクンと一つ頷くと類の前に座った。

「ようやく仕事が一段落するから結婚式のことを決めたい。もう少し早くできると思ったのに思いの他手古摺らされて、忌々しいったらないよ」
「…結婚式…?」
「まさか入籍だけでいいなんて言わないよね? 母さんたちも楽しみにしてるんだよ」
「あ、あたしだって、そりゃ人並みに結婚式にはあこがれもあるけど…でも類も忙しいし、今がすごく幸せだから、だからまあこのままでも良いかな…って…」
はぁっと溜息を一つ吐いて類が続けた。
「ちゃんとしないと納得しない奴らが多いこと解ってる? それにつくしにちょっかい出されるのはごめんだし。俺もいい加減縁談から解放されたい」
“縁談”と言う単語につくしがビクリと反応する。
「えっ…縁談、って…」
つくしの反応に内心、してやったりの類だがそれはおくびにも出さない。
たまには嫉妬の一つもしてもらいたい、自分ばかりが嫉妬するのではなく…このところそんな事ばかりが頭を閉めていたのだから…

「だって入籍しただけでまだ正式に発表していないでしょ? 知ってるのは一部の人間だけで世間的にはまだ知られてないから、俺は独身だと思われてるわけ。俺としては一刻も早くつくしは俺の物だって公表して、俺もつくしの物だって知らしめたいんだ」
つくしの顔を覗き込みながら、イヤ?と麗しい笑顔を見せる男に逆らう術など最初から持ち合わせていないつくしはただ頷くしかできない。

つくしに話す前にすでに粗方の根回しを済ませていたようで、フランスにいる類の両親の予定も既に開けさせており、1ヶ月後にメープル最大のバンケットルームでの結婚披露宴となった。

旧知の友人たちはもちろんの事、花沢関連の人々、ヒューストンを始めウォルトンやエリソンへの招待状の発送など、急に慌ただしくなった。
呼ばなくていいの?と類に言われ、逡巡した挙句ドクター・ライツとドクター・ノーマンと朱音も招待することにした。

フランスの美緒たっての希望(指示?)で、時間が許す限りブラダルエステに通う事を余儀なくされ、その合間にドレスやアクセサリーを選ぶべく類に連れ出された。
つくしにしてみれば連日オペに入る方が楽なのではないかと思える程の日々が続いた。


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『please』 by (´・ω・`)様

[Kim Hyun Joong] Please : 和訳&ハングル [HD]




『please』 by (´・ω・`)様 『時の雫石』



車の中で、ジャンディの部屋に入っていくジフとジャンディを見た瞬間に。
俺は持っていたグラスを投げつけた。

「行け」

主の激情をよそに運転手は静かに車を発進させる。


事の発端は、ジャンディの勤める病院に入院した患者が始まりだった。

陸上の選手だったその男は、オリンピックの選手候補でスポンサーには神話がついていた。

しかし、その男は練習のし過ぎでアキレス腱を痛めた。

前の様に走るのは絶望的だと診断がくだったの同時に、神話はスポンサーを降りた。

企業的には当たり前の話だった。オリンピックは企業にとっては、巨大なビジネスだ。

韓国という国をあげての巨大ビジネスの1つとして、有能な選手を選んで投資するのだ。

メダルをとるのは、選手として国民の中から選ばれた義務とも言える。

投資を受けているからには、自分の体のメンテナンスも本人の義務だと企業は考える。

俺はタバコに火をつけると、車の外に広がる街の光をぼんやりと見つめた。

ジャンディはその男にかつての自分の姿を重ねたのかもしれない。

ジャンディから、泳ぐ事を奪ったのはこの俺なのだから。

「リハビリ次第では、もしかしたら走る事もできるかもしれないの」

目を閉じると、必死に俺に訴えたジャンディの姿が浮かんだ。

スポンサーを降りるのを待ってほしい。と頼むジャンディに俺は1人の男としてではなく。
神話の代表として『yes』を出すわけにはいかなかった。

苦渋の決断だった。

俺はジャンディを婚約してから初めて怒鳴り付けたのだ。

『神話に嫁ぐべき女なら、もっと利口になってくれ』と。

ジャンディは泣きながら叫んだ。

『私は神話と結婚する気はない』と。

そして。ジャンディは正式に俺に婚約破棄を申し入れてきた。

俺は納得ができないままに、今夜はジャンディの部屋の前でジャンディの帰りを待っていたんだ。

そんな俺に突きつけられた現実は。

部屋の前で抱き合うジフとジャンディの姿だった。

ジフはジャンディに惚れていた。そんな事は昔から知っていた。

けれど。ジフは俺を裏切りはしないとずっと信じていたんだ。

今頃…

ジフと二人、ジャンディは抱き合っているのだろうか?

ジフとキスをしているのか?

想像するだけで、張り裂けそうになる位に胸が痛い。

タバコの煙を吐きながら、今度はジャンディの姿を消したくて目を開いた。

その瞬間だった。

俺の目から涙が溢れた。

俺にもどうしてだかわからない。

けれども、涙が溢れて止まらないのだ。

1人の男としてジャンディと結婚したかった。

1人の男としてジャンディと結婚するつもりだった。

けれど。

もう、普通の男には戻れないと気づいてしまったんだ。

ジャンディと永遠の愛を誓いたかった。

ジャンディと永遠に一緒にいたいと願っていた。

隣にいるのは俺だけだと、信じて疑わなかった。

ジャンディだけを選んで、総てを捨てる決断が今の俺には到底できない。

オリンピックを前に、動き出している全てのビジネスを捨てて。社員達を捨てる決断が今の俺にはできない。

なのに。

ジャンディを捨てる事も忘れる事も今の俺にはできないんだ。

その夜。俺はずっと溢れる涙を止める事ができないままに。

夜の闇に飲み込まれていた。




なお、この作品に関する権利の一切は、
作者である(´・ω・`)様にございます。
無断での転記、配布、加工、
及びこれらすべてに準ずる一切の行為を禁止致します。


*****
以前私が「自分じゃ書けないから、どなたか書いて下さ~い」とお願いしていた『Please』
(´・ω・`)様が願いを叶えて下さいました。
改めて、お礼を申し上げます。

『Please』も『それぞれの”Again”』もまだまだお話募集しております。
日本版、韓国版、CPも問いません。
また違う視点のお話を書いて下さると嬉しいです。

まーこ


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「お強請り大王」降臨!

「お強請り大王」が
『時の雫石』(´・ω・`)様に立て続けに迫ってしまいました。

強引さに押されたのか、(´・ω・`)様は速攻で書いてくださいました。

韓国版『花男』です。

明日の6:00にUPさせていただきます。
皆さま、お楽しみに❤

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素敵なお知らせ 聖様続編UP❗

企画『それぞれの"Again"』ご寄稿頂いた
聖様の『I need You ~Again~』

素敵な作品でしたよね🎵

あのお話、切なくて先が気になっていたのは私だけではないはず…

なんと!この度聖様が続編 つくしVer.を書かれました。

『夢見月~Primavera~』にUPしておられます。
うふふっ!
皆様、是非お読み下さいませ。


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プロフィール

まーこ

Author:まーこ
花より男子《日本版:類つく、韓国版:ジフとジャンディ》や韓国ドラマの二次小説を書いています💕

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