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風の坂道 20


最近はなんだかんだとジュンピョもウビンもイジョンもジャンディに関わりたがる。
女で始めてジュンピョに真っ向切って逆らった彼女に腹を立てていたジュンピョも、今では何とか彼女の関心を引こうとしている。
庶民が珍しくて面白がっていたウビンやイジョンも今じゃ彼女の友人気取りだ。

別に誰が何をしようと、何をどう思おうと、所詮は他人事…関係ない。…はずなのに…何故気になるんだろう?

―“気になる”? いや…この感情は“気に障る”なのか…?


“赤札”の発端となったジャンディの友人も、赤札が撤回されたことで彼女に近づけるようになった。
赤札が怖くてジャンディを助けることも庇う事も出来なかった弱い自分を許して欲しいと謝罪する彼女を、ジャンディは許したらしい。
今ではまた以前のように二人一緒に居ることもあった。

それでも一部の生徒の陰口や嫌がらせは続いていて、その事を知ったジュンピョがある日いきなり動いた。
「F4から皆に伝えることがある。クム・ジャンディはF4のダチだ! 今後、クム・ジャンディに対する言動はF4に対するものとみなす。注意しろ」
昼休み、ラウンジに集まった生徒たちに宣言した。

ジャンディが気に入らない連中は苦い顔をしたが、彼女に好意的な一部は喜んでいた。
特に例のジャンディの友人はそうだったが、その事が別の事件を引き起こすことになった。

ジャンディを標的にできなくなった不満分子がジャンディの友人を標的にしたのだ。

*

いつものように登校すると周囲がざわめいていて落ち着かない。
学園の玄関ホールのデジタルサイネージ(掲示板)に人だかりがある。
ジュンピョの“ダチ”宣言以来手のひらを返したように態度が変わった意地悪3人娘の1人が、一体何事かと怪訝な表情のジャンディの腕を掴んで引っ張って行こうとする。
「ジャンディーっ、あれ見てよー」

“整形マニア、オ・ミンジの醜い過去!”
デジタルサイネージに映し出されるミンジの過去の姿と現在の姿。

「信じられないわね」
「裏切るにも程があるわ」
「相当根性あるわね。こういう整形手術ってものすごく痛むか、一度で懲りるって言うわよ。何度も手術したら誰だって美人になるわ」
「あれが人間の顏なの?私があんな顔ならとっくに自殺してる」

ジャンディに話して聞かせるように好き勝手な事を口にして嘲笑う女子生徒たち。
一歩、二歩とゆっくり前に出て、ジャンディの表情が怒りで固くなっていることに気付きもしない生徒たちにくるりと振り返った。
ぴたりと目の前の一人を見据え、
「その目―」
―ギクッ―
次の一人に視線を移し、
「その鼻―」
―ギクリ―
そしてその次の一人をじろりと睨み、
「時計―」
―ドキッ―
「買ったのよね?」
―ニッコリ―

「欲しいものはお金で買うくせに…美貌はダメ? 自分のこと棚に上げて非難するんじゃないわよ!! 美人の整形は許せるけど、ブサイクは許せないの? 大変な苦しみと引き換えに得た顔よ! 何か間違ってる? ミンジを悪く言える資格がある人は出てきて…」

全員がじりじりと後ずさるなか、ジャンディの怒りが爆発した。
「さっさと出てきなさいよ!!!」

誰も何も言えず沈黙が流れる。
踵を返したジャンディの視線の先に、蒼白な顔で立ち竦むミンジがいた。
ゆっくりと彼女に歩み寄ったジャンディは何事も無かったかのようにニッコリとミンジに微笑みかけた。

「ミンジ、おはよう」
「…ジャンディ…」
「ミンジはミンジだよ。行こう?」
「…うん…ありがとう、ジャンディ」



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風の坂道 19


ジャンディが神話学園に通い始めて数ヶ月が過ぎようとしていた。
赤札を貼られ虐めや中傷、果てはレイプ未遂まで様々な出来事が嵐のように過ぎ去り、落ち着きを取り戻してきた今でも、クラスメートの陰口は残っていた。

そんな中でF4が変わったともっぱら学生達に噂されていた。

そして今日も授業が終わり教室を出て学園内を歩いているジャンディにウビンが声を掛けてきた。

「クム・ジャンディ。昼休みか? ラウンジに来いよ」
「ウビン先輩、いえ良いです。あたしお弁当ですし」
「そうか? じゃあ飯が終わったらで良いから来いよ。お茶をご馳走するからさ。いいな」

ジャンディに背を向け手だけひらひらとさせながら去って行くウビン。
「…もう…ウビン先輩もあれで結構強引なんだから…」

ジャンディは今では非常階段で弁当を食べるのがお決まりとなっている。
そこにはジフがいることも多かったが、お互い干渉しない事が暗黙のルールのようになっていた。
なのにその日はどうした風の吹き回しか、ジフが声を掛けてきた。

「その黄色いの…卵焼き…?」
「えっ、ジフ先輩…」
「それ卵焼きでしょ…?」
ジフがジャンディの横に腰を降ろす。
「そ、そうですけど…」
「美味しそう…頂戴…」

戸惑いつつも箸で卵焼きをつまみ、おずおずとジフの口元に持って行くと、ジフが口を開けた。

ぱくんっ。

ジフの口の中に消えた卵焼きが咀嚼される様子を見ながらジャンディは思っていた。
―物を食べる姿までこの人はなんて美しいんだろう―

「これ…美味しい…」
ぼーっと見とれていたジャンディが我に返る。
「あっ、そ、そうですか? お口に合って良かった」
「昔アジュンマ(お手伝いのおばさん)が作ってくれたのより美味しい…お弁当…俺にも作って来てよ…いつも美味しそうに食べてるからさ…」
「ジフ先輩ったら冗談ばっかり…」
「…冗談じゃないよ…」

それだけ言ってジフはすっと立ち上がり階段を降りて行く。
その後ろ姿をジャンディは呆然と見送った。


ジフがF4ラウンジに入って行くとそこには3人がいた。
「おい、ウビン。ほんとうに来るんだろうな?」
相変わらずの不遜な態度のジュンピョ。
「ジュンピョ、そんなにジャンディが気になるなら自分が誘えばいいじゃないか?」
ニヤニヤと笑いながらからかうイジョンに反論する。
「べ、別に…あんな庶民…俺が気にするわけねぇだろ? ははっ」
「弁当食ったら来いとは言っといたけどな…おっ、ジフ。おまえジャンディ見かけなかったか?」
ジフに気付いたウビンが訊ねてきた。
「…知らない…」
何故嘘を吐いてしまったのか、この時のジフには解っていなかった。
“こいつらに非常階段に来られたくない”と思う、もっと深い意味に…

「ウビン、おまえジャンディに優しいよな…?」
イジョンはウビンにターゲットを変えたようだ。
「なんだかさ…お転婆な妹みたいに思えてさ…ジュンピョ、おまえもうジャンディに赤札貼るなよ」
「お、女相手にもうやるかよ…俺様のミケンに関わる」

「「それ…沽券だろ…?」」
イジョンとウビンの呆れ声がハモる。
いつもは何も言わないジフが珍しくダメ押しを入れた。
「良く言うよね…その“女”相手に一度は赤札を貼ったくせに…」

「おい、ジフ、てめぇ…」
「本当の事じゃない…」
「よせっ」
「そうだぜ、ジュンピョだって反省してるんだし」
「反省…ね。まあそうだよね…」
ジュンピョから見えない側の口角だけを上げるジフだった。



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風の坂道 18


家に帰ってハラボジに今日の出来事を話すと、一瞬だけハラボジはひどく動揺していた。
けれどそれをあたしに悟られたくないと思っていることに気付き、あたしは気付かなかったフリをした。
ハラボジの動揺が何なのか解らないけれど、今は聞くべきじゃない気がしたから。

「そんな金持ちの家に行ってジャンディは嫌な思いはしなかったか?ああいう奴らは金があると言うだけで自分が偉いと勘違いしている者が多いからな」
「ソヒョン・オンニはそんな人じゃないですから。ただお母様が少しあたしの事をお気に召さなかったようで…オンニはあたしにすごく謝ってくれてました」
「お前は不愉快じゃなかったかね?」
「でも娘を心配する親の立場なら交友関係も気にして当然かも知れないと思いますから…」

ソギョンはその言葉に表情を曇らせた。
「親心であっても儂は“選民意識”は好かん。人間は皆平等であるべきだ」
「ハラボジ、あたしは大丈夫ですから。ソヒョン・オンニやジフ先輩のような人もいますし」
「ああ、そうだな。おまえたちの世代にはそんな上辺に囚われず、きちんと人物を見られるようになるといいがな…」
「あたしの家は貧しかったけれど、卑屈にはなりません。両親はあたしにとっては立派で尊敬できる人達でしたから」
「そうだな。おまえの両親は本当に立派な人たちだった。おまえの家が困窮していたのはおまえの両親が困っている人たちを見捨てる事ができなかったからだ。自分たちよりも他人を思いやるような人だったからな…」

自分の両親に対するソギョンの評価はジャンディにとって何よりも嬉しいものだった。
「ありがとうございます、ハラボジ。両親の事をそんな風に思って下さって」
「本当の事だよ。そしておまえにもそれは見事に受け継がれているようだな…」
「あたしは両親にはまだまだ及びません。でも少しでも近づきたいと思っています」
「そうか…ではそのためにもしっかり勉強せんと、な?」

*

離れの自室にいるジフの元に珍しく使用人が訪れた。
ジフへの用向きはたいてい内線で伝えられるのが常で、直接使用人がやって来ることは稀だ。訝しく思いながらしぶしぶ対応する。

「ジフ坊ちゃま、旦那様が書斎へお越しいただくようにと」

何の用が有るのか…面倒に思いながら、返事を返すことなくドアを開けて部屋を出た。
ほっとした表情を見せる使用人に見向きもせず父の書斎へと足を向ける。

扉を叩くと応えがあった。
「入りなさい」
無言のままドアを開け中に入ると後ろ手にドアを閉めて数歩進み父の前に立つ。

「父親に対して挨拶も無しか?」
「……」
「まあいい…学校の成績は申し分ないようだ。家庭教師の評価も問題ない。だが…最近女子学生に関わっているようだな? しかも神話には珍しく一般庶民だとか…?」
「ちょっとした成り行きで接点があっただけの事です。特段の関係はありません」
「そうか…? 成り行きと言うが今まで他人に興味を持ったことなどないだろう?」
「関係ないと申し上げました」
「ソヒョンも興味を持ったようだな…」
「何が仰りたいのですか?」
「おまえはスアム文化財団の後継者だと言う事を忘れないようにと言うことだ」
「俺が望んだわけじゃありません。あなたの都合でそうなっただけでしょう?」
「だが父が手を引いた以上、おまえが何不自由なく暮らせているのは誰のおかげだ?
今のこの国では大学を出ても職に就ける保証はない。ましてや高卒では更に難しいだろう。私のもとで勉強した方が賢いとは思わないか?」
「知識を得る事は嫌ではありません。だから家庭教師も受け入れましたし言われた通り学校にも通っています。でも俺があなたの思い通りになるとは限らないとは思いませんか?」
「いいや…おまえは私の思う通りの道を進むさ…」
「思いたければ…そう思っていればいいですよ…」
「自分の思うように生きたければ力が必要だ。私の示す道がその“力”をつけるための道だからだよ…今におまえにも解る…」

「…っ! お話はそれだけですか? ならもう失礼します」

踵を返し部屋を後にするジフの耳にジュンソの声が聞こえた。
「自由が欲しければ力をつけろ…」

父の部屋を出て離れへ向かう廊下を曲がったところでソヒョンが待っていた。
ソヒョンが口を開く前にジフが口を開いていた。

「父さんが彼女の事を知っていた。余計なことをして彼女を巻き込まないで」
「ジフ、私が言った訳じゃないわよ。お父様が知っているならもう巻き込まれているも同然よ。彼女が大事なら今後一切関わらないで置くか、あなたが彼女を守るかのどちらかよ」
「俺がなんで…?」

「気付いた時は“手遅れ”にならないように気をつける事ね、ジフ」
「何の事?」
「あなたやあの子たちが望むものをジャンディは持っている。あの子たちもバカじゃない。彼女の魅力に誰が一番早く気付くかしら…? 誰が最初に自覚するかしら…?」

ソヒョンは悪戯っぽい笑みを浮かべると自室へと帰って行く。

「あの子たち…?……あいつらの事…?気付く…?自覚…?」
ソヒョンの謎かけのような言葉を頭の中でジフは反芻していた。



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風の坂道 17


ドアが叩かれソヒョンの返事にドアが開き、この部屋の主に似た美しい婦人が入って来た。
「ソヒョン、可愛いお友達が見えてるんですって?わたくしにも紹介して下さらない?」

ソヒョンが眉を顰める。
「お母様、今までわたくしのお友達に関心を示されたことなどおありで無かったでしょう?今日に限ってどうなさったの?」
「あら、心外だわ。わたくしはいつもあなたの交友関係には関心を持っていましたわよ。忙しくてなかなかご挨拶できなかっただけよ。初めまして、ソヒョンの母ですわ」

嫣然と微笑む女性の口元は微笑んでいるが目は笑っていなかった。
だがここでソヒョンに恥をかかせるわけにはいかないとジャンディも居住まいを正し挨拶する。
「初めまして、クム・ジャンディと言います。本日は突然お邪魔しまして申し訳ありません」

「クム・ジャンディさん…?失礼、どちらのお嬢様でしたかしら…?社交界の大抵のお宅は存じ上げておりますけれどクム家というのは…?」
「お母様!そんな事はどうでもよろしいのではありませんか?ジャンディは私の後輩です。それだけでよろしいでしょう!!」

「相変わらずあなたも解っていないこと…ユン家の令嬢ならば、友人であろうと相応しい人を選ばなくては…」
「ええ!おっしゃる通り選んでおりますわ。綺麗で真っ直ぐな心根の方をね!!お気が済まれましたら出て行って下さいませんか?私はまだ彼女とゆっくりお話がしたいんです。はっきり申し上げてお母様は邪魔ですわ」

「まあいいわ…好きになさい。どのみちあなたはもうすぐフランスに行くのだから…」
それだけ言い残し、ソヒョンの母は部屋を出て行った。

「あの、あたしやっぱり失礼します。あたしなんかが来たらオンニの立場が悪くなってしまうでしょうから…」
「帰らないで。ジャンディ、不愉快な思いをさせてごめんなさいね…実の母とはいえ、ああいう選民意識には我慢がならないわ…たまたま生まれた家が違うだけで同じ人間なのに」
「でも…お母様だからこそオンニの事を思っていらっしゃるのじゃないですか?」
「そうね…ジャンディの言う事も解るわ…ごめんなさい、ジャンディはお母様を亡くしているのに…」
「そうですよ。生きていれば話し合う事ができますよ…?」

「そうね。そんなあなただからこそジフの事をお願い。親の問題であってジフには何の罪の無いのよ。なのに…母は…」
「オンニ…きっと…ジフ先輩は大丈夫だと思います。ジフ先輩はそんな弱い人じゃないと思います、わたしは…」
「いいえ、あの子は強がって見せているけれど心はとても繊細なのよ。私から見ればいつ砕け散るか解らないガラスのよう…でもジャンディが傍に居てくれればあの子はきっと強くいられると思うの」
「あたしにそんな事が出来るとは思いませんけど…」
「今は解らなくていいわ。とにかくジフの傍に居るだけで良いから…ねっ、お願い」
「解りました…」


夕食をご馳走になったが、お母様はそこに同席することは無くあたしはほっとしていた。
オンニはあたしにテーブルマナーの基礎をさりげなく丁寧に教えてくれて、生まれて初めての本格的な洋食に戸惑いながらもなんとか食べる事が出来た。
恩にはマナーや知識は持っていて邪魔にはならないし、あたしの助けになるはずだからと言った。だから勉強もしっかりしてねとやさしく微笑みかけてくれた。



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風の坂道 16


新羅宮廷様式の豪邸の玄関車寄せに静かにリムジンが停まる。
車から降り立ったソヒョンに使用人達からかかる声にソヒョンは柔らかな微笑みで応える。

「お嬢様、ご友人がご一緒とはお珍しいですね。どちらのお嬢様ですか?」
さりげなく探りを入れるパク執事にソヒョンは事もなげに答える。
「クム・ジャンディさんよ。パク執事、変な先入観で彼女を見ないで頂戴。お父様やお母様にも余計なことは言わなくていいわ」

穏やかながら有無を言わせぬ威厳を備えたソヒョンの言葉にパク執事もはっと居住まいを正す。
「申し訳ございません。出過ぎたことを申し上げました」

「あの…オンニ…あたしやっぱりここで失礼を…」
「ジャンディ、気にしなくていいわ。こっちよ」

ソヒョンの自室に通されジャンディは身の置き所を見いだせず落ち着かないままでいた。それもそのはず、そこは庶民感覚の“自室”とはかけ離れたものだったのだから。
ジャンディの知る友人の自室とは、机もクローゼットもベッドも全てが一室に置かれた一部屋だった。それも一人で一室を使わせてもらえるのは裕福な方だ。
だが目の前に広がるのは…奥に見える扉の向こうがおそらくは寝室であり、透明の仕切りの向こうには書斎が見え、バス・トイレが付随していて、ジャンディが今いるのはプライベートリビング。
女性らしいが決して華美ではなく品よく整えられたその部屋はまるでソヒョンそのものを表しているかのようだった。

あとは自分でやるからとソヒョンはお茶を持って来た使用人を下がらせた。

「これで誰もここに来ないわ。ジャンディの話が聞きたいわ。ジャンディにジフはどんな風?あの子は無愛想だし…ジャンディに当たったりしていないかしら…?」
「ジフ先輩は…いつも優しくしてくれます。助けてもらったこともあります」
「助けた…?」

一瞬言うべきか迷ったが、ジャンディはソヒョンにレイプ未遂事件の事を話していた。
「…そう…怖かったでしょう。ジフが間に合って良かったわ。
ジュンピョも…もっと自分の表現方法を解ってくれるといいんだけれど…
ジフとジュンピョは正反対のようだけれど、実は表と裏のように似ているところがあるのよ。二人とも自分の気持ちを素直に認められない…表せない…そんなところが似ているの。
一見社交的で自分の感情に素直なように見えるウビンやイジョンでさえ、実はそうじゃないわ。それは私たちのような家に育った人間の性(さが)のようなものなのかも知れないわね。そして意を決して私のように自分の意思を表せば、非難の集中砲火を浴びるのよ…」

「ソヒョン・オンニ…それは…?」
ジャンディにはソヒョンの語る意味が解らず首を傾げる。
それに対してソヒョンが話を続けた。

「両親はいずれ私を結婚させて財団を継がせようとしていたの。でも私は自分の夢を見つけてしまった。だから「国際弁護士になって社会的弱者を助けたい」と宣言したの。
当然ながら両親は大反対よ。それでも最初は世間知らずの子供の戯言だと思っていたのかしら、しばらく静観されたわ。その間に私は準備を進めたの。勘当されても生きて行けるように。私がモデルをしたのもお金を稼ぐため。私の決意が固いと解った両親はとうとう諦めたわ。大学からはフランスに行くわ。勘当はされないけれど経済的援助は一切しないと言う事でね」
「すごい…オンニは自分の夢に向かって進むんですね。何もお役に立てませんけど私も応援します」

「ありがとう、ジャンディ。でもその私の所為でジフの自由を奪ってしまったのかも知れないのよ」
「どう…いうこと、ですか…?」

いままで家の柵(しがらみ)に囚われることなく自由な生活をしていたジフが、自分の代わりに後継者としてユン家に引き取られた事、そしてその生い立ちについてソヒョンはジャンディニ話した。
そして元来大して社交的でもなかったジフはこの家に来てからというもの、ますます心を閉ざし他人への関心も無くして行ったことも…
そして今では自分の将来に関してさえも無関心になっていることをソヒョンは憂えていた。

「ジャンディに会ったことはジフにとってきっと良い事だと思うの。私はジフに家の犠牲になんてなって欲しくないの。財団を継ぐにしろ継がないにしろ、それはジフの意思で決めてもらいたいの。そのためにはジャンディがジフの傍にいることが重要なんじゃないかって…これは私の勘でしかないんだけれど…」

自分が傍に居ても何の役にも立てないというジャンディにソヒョンは“ただ傍に居てあげて欲しい”と言うのだった。

それから“嫌なら話さなくていいのよ”というソヒョンに、ジャンディは自分の事を包み隠さず話していた。
両親が事故で急死し天涯孤独になったところを、父親が生前青瓦台の警護官をしていた関係で後見人となり生活の面倒を見てくれる人が現れ、今はその人と一緒に暮らしていることも。

その話を聞きながらソヒョンには思い当たることがあったが、それを口には出さなかった。
時折、ジャンディの話の中に出る“ハラボジ”と言う言葉で、ソヒョンは確信を得てはいたが、それをジフには知らせない方がいいと考えていた。今話せばジフはジャンディと距離を置いてしまうかも知れない…



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Author:まーこ
花より男子《日本版:類つく、韓国版:ジフとジャンディ》や韓国ドラマの二次小説を書いています💕

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