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天国の記憶25


久々の更新です。
家族はまだ入院中ですので、定期的な更新は難しいと思いますが頑張りたいと思っています。



★★★★★★★★★★

天国の記憶25


牧野があきらとデートした。
どんなだったのか、何を話したのか、気にはなったけれど、帰国して司の嫁情報で彼女が自宅を教えず道明寺邸まで帰ってきたことは聞いていた。


夢の中の彼女はいつも俺のそばで笑ってくれているから、それが却って俺を不安にさせた。

―これは自分の願望が見せているだけで、彼女は俺を見てくれないんじゃないか…

*

今週も昨夜から道明寺邸に泊まらせてもらっている。
今朝も滋さんは元気一杯で「今日は類君とデートだね。楽しみーっ」と、まるで自分の事のように浮かれている。

あたしはというと、生まれて初めての“モテ期”に戸惑うばかり。
どう考えても納得がいかず、まるで太陽が西から昇っている気分。


「花沢様がお見えです」
今日も道明寺邸のメイドさんが告げる。

「類君、いらっしゃい。フランスはどうだった?」
「別に…いつもと変わんないよ…ワイン後で届くから…お土産代わり…?」
「類君チョイスのワイン最高だもんね。ありがとー!今日はつくしのこと、宜しくね」
「……」

「花沢さん、おはようございます。あの…今日はよろしくお願いします」
「…類…」
「え…?」
「俺のことは“類”でいいよ、牧野さん」
「でも…花沢さんは年上だし…」
「俺も“牧野”って呼ばせてもらうから…俺のことはそれで良いから…」

戸惑うつくしの言葉に被せるように告げた類の言葉は断固としていながらも優しかった。

「…る・い…?」
「うん、牧野。出かけようか…?」

これ以上ないほどの柔らかな笑みを向けられたつくしは、自分の顔が火照るのを意識せざるを得なかった。
―まるで天使みたいな笑顔…


何事もない表情で二人を送り出した滋だったが、内心の驚きは相当なものだった。
「類君でもあんな表情するんだぁ…今まであんなカオ見たことないよぉ…」
滋の知る類は幼馴染たちといる時でさえほとんど笑うことなどない。
いつも無表情で他の3人がふざけて笑っていてもわずかに口角を上げるだけで目は笑っていなかった。

いつか司に言ったことがある。
「いくらイケメンで優秀でもあたしはあんなに感情のないロボットみたいな人は無理。
司みたく感情を表に出してくれる人でないとダメだなぁ」
それに司が笑いながら答えて
「ロボットとは酷えな…あれでもあいつなりに感情もあるんだ。表に出すのが苦手なだけでよ。まあ他人に無関心なのは否定しないけどよ」

よほどつくしの事が好きなのだろうとは容易に察することができた。
「つくし限定ってとこで滋ちゃんの評価大だよぉ。類君、頑張れ!」







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天国の記憶24


園内に入ってはしゃぐつくしの笑顔を見ているあきらだったが、最初の興奮が少しおさまってきたつくしにはあきらがこういうところが苦手であることが分かってきた。
今日ここを選んでくれたのは自分のためなのだと思うと申し訳ない気になってくる。

「…美作さん、こういうところ苦手なんでしょう?ごめんなさい、あたし一人はしゃいじゃって…」
「なんで?牧野が喜んでくれたほうが俺は嬉しい。俺はよく判らないからさ、牧野が楽しみ方を教えてくれれば良いんだよ」

そう言われてしまえば、あきらにも楽しんでもらえるようにと次々と説明を始める。
「ゆったり乗れる乗り物もあれば、ジェットコースターのような乗り物もあるし、エンテーテイメントショーもあるんですよ。美作さんはどういうのが好みですか?」
「牧野はどんなのが好きなんだ?」
「あたしはどれも全部好きだから、美作さんに合わせますよ」

自分に合わせるというつくしの言葉が嬉しくて、
「よし、じゃあ片っ端からチャレンジしてやる。牧野と一緒なら何でも楽しそうだしな」

「どういう意味ですか」
「そのまんまだよ」
「意味、分かんないんですけど…」
「まあまあ、良いじゃないか。行こうぜ」


次はこれ、次はあれと楽しそうなつくしに合わせながら、まるで中高生のデートだと苦笑をかみ殺すあきら。
―まあ…変に最初から構えて警戒されるよりはマシか…

先を焦ってヘマをしでかすわけにはいかないと、ともすれば先走りそうになる気持ちを抑える。
つくしと一緒ならば、不思議とこんなデートでも苦にはならなかった。
気が付けばまるで子供に戻ったかのように楽しんでいる自分がいた。


いずれは親の会社を継ぐのだからと子供の頃から英才教育を施され、折に触れてはそう刷り込まれて育った自分には、同じ立場の幼馴染たちと悪さをすることが精いっぱい。普通の子供たちのような楽しみなど無縁と思っていた。
どうせ敷かれたレールの上を走らされるのなら、せめてガキの頃は好きなようにしたいと親が許容する範囲内でやりたい放題やってきた。
女を知ってからはアバンチュールを求める人妻とうまく遊んでマダムキラーを気取ってた。

牧野に会ってからだ。
そんな自分が空しくなって、本当に自分が欲しいものに気付いたのは。
だから必死に頑張っていた。自分の望みを叶えるために。この手に掴むために。
もうすぐこの手に掴めそうだった時、類が帰ってきて俺の思惑はすべてが狂ってしまった。

俺も類も1から…いや0からのスタートだ。
今度こそ…


「あーっ、楽しかったぁ。美作さん、今日はどうもありがとうございました」
「楽しめたなら良かった。俺も初めてだったけど結構楽しかったよ」
「良かった。あたしだけ楽しんでたら美作さんに申し訳ないと思ってたから」
「正確には牧野を見てるのが楽しかったよ。表情がコロコロ変わって」

頬を赤らめて少し拗ねた表情の牧野が言う。
「あっ、子供みたいだって思ったんでしょう?良いですよ。自分でも自覚してますから」

「それが良いんだよ。俺はそんな牧野が好きなんだ」

牧野は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

「そろそろ行こうか。食事して帰ろう」


食事の後、美作さんはあたしを道明寺邸まで送ってくれた。
家を教えて欲しいと言われたけれど、まだ教える勇気がなかった。
待つと言ってくれた美作さんはそのかわりまた会ってほしいと言った。



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天国の記憶23


滋さんの配慮であたしのマンションは知らされないことになった。
「つくしが教えてもいいと思ったら言えばいいからね」
だからデートの前日は道明寺邸でお世話になって、デートの迎えは道明寺邸。
マンションを知られたくなければ道明寺邸に帰ることとなった。

少し遅めの朝食を滋さんと一緒に軽く取りながら、
「つくしはそのまんまが一番素敵なんだから、思うとおりに振る舞えばいいからね。無理にあきら君に合わせる必要なんてないし、好きなことは好き、嫌なことは嫌ってはっきり言うのよ」
「滋さん…そんなこと言っても…」
「つくしの謙虚さはよく知ってるけど、男女の間ではそんなことは無用なんだよ。だいたいありのままのつくしが気に入らないなら、あきら君もつくしの良さがわからないその程度の男ってことよ。相手にする必要なし!だよ」
天下のF4に対してあまりの言いように苦笑しか出ない。

滋の態度はつくしの気を楽にさせようとしているものだとわかるだけに、つくしは自分の中の正体のわからない不安を表に出さないように努めていた。


「美作様がお見えになりました」
使用人が来訪を告げあきらを案内してくる。
挨拶を交わし終えたあきらは柔らかな笑みを浮かべた。

「牧野さん、デートに応じてくれて嬉しいよ。今日はよろしく」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。あの、あたし、こういうことは慣れてなくて…あっ、それとあたしの事は“牧野”でいいです」
「それでいいの?俺としては少し距離が近づいたみたいで嬉しいけど」
「そ、そんな意味じゃなくて…ただ職場以外で“さん”付けで呼ばれるのに慣れないだけで…」

「そんなに警戒しないでほしいな…」
苦笑するあきらに居たたまれなさを感じるつくしだった。

楽しんできてねと滋に送り出されあきらの車に乗る。
車内の沈黙に耐え切れず口を切ったのはつくしだった。

「なぜ…あたしなんですか…?」

人を好きになるのに理由なんてないと答える。
そしてあきらは自分の過去を語り始めた。
少女趣味の若い母親、年の離れた双子の妹、そんな家庭環境に反発を覚えて、後腐れのない年上の既婚女性とのアバンチュールに明け暮れていた学生時代。
仕事を始めて社会に出るとともにアバンチュールに費やす時間も無くなったこともあって、その空しさと無意味さに気付いた。
親や社会への反発という鎧を脱ぎ捨てて、自分の気持ちに正直になった時、つくしに出合い心魅かれた…

「所謂“不倫”相手はある意味利害の一致した同志みたいなもので気楽だったんだ。
当時俺たちの周囲にいた同じような年頃の女性達は、俺たちのバックグラウンドや容姿、打算ですり寄ってくるやつらばかりで、それは男も同じようなものだったけどな…」
「あたしに打算がないとなぜ思うんですか?」
「牧野は最初から俺たちを警戒して距離を取ってるから…かな?言っただろ?媚を売ってすり寄ってくる奴らばかりを見てきたって」

「…きっと、珍しいだけですよ…」


運転手が目的地への到着を告げる。

「せっかくのデートなんだ。楽しもう?」
ドアを開けて差し出された手をおずおずと取り降りたそこは、学生時代に一度だけ友人たちと訪れたテーマパーク。

思わず顔を輝かせたつくしの耳にほっとしたようなあきらの声が届いた。
「気に入ってくれるか心配したけど、喜んでくれてるようで良かった」



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天国の記憶22


総二郎の宣言通り、程なくしてつくしのもとに滋を通して食事の誘いがあった。
滋は優紀を以前から知っているようで、「きっとつくしも気が合うと思うよ」と太鼓判を押す。

優紀は一般家庭の育ちということでつくしとは価値観がよく似ている。
初めて会ったにもかかわらず、長年の親友のように打ち解けた優紀とつくしは二人で盛り上がってしまい、総二郎を拗ねさせるほどだった。

「つくし、また会おうね」
「うん、今度は西門さん抜きでね」

「つくしちゃんも俺を目の前にしてよく言ってくれるね」
あまりの二人の仲の良さに総二郎は苦笑する。


滋によって社員寮代わりにと用意されたマンションに帰ると、見計らったような何ともよいタイミングでつくしの携帯が鳴った。
ディスプレイは滋からの着信を告げている。

「滋さん?」
『つっくしーっ!今日はどうだった?楽しかった?』

つくしを気遣っての滋の電話に顔が綻ぶ。
優紀とは初対面にも関わらず意気投合したことを告げると安心したような声が聞こえた。

『でね…あきら君と類君もつくしにデートを申し込んできてるよ』

ああ、そのこともあっての電話かと思い当たる。
二人とも良い人だと思うし信頼できる人たちだと思う。
なのになぜか1対1で会うとなると気が重い。

電話の向こうで滋がマネージャーよろしく、つくしのデートの予定を告げていた。
『類君は急にフランスへの短期出張が入っちゃって、あきら君が先になったの。今度の日曜日、付き合ってあげて。類君は次の日曜日ね』
「えっ、ちょ、ちょっと待って!滋さん。そんな急に…」
『こういうことは考える前にまず行動よ!ぐるぐる考えてたって解決にはならないって!』

常日頃からつくしを友人として遇してくれる道明寺夫妻の顔を潰すわけにはいかないと、気が進まないなりにもつくしも覚悟を決めて了承の旨を伝えた。



―Side あきら―

滋から牧野がデートに応じてくれると連絡が来た。
“無理に依然の記憶を思い出させたり、昔の事を蒸し返して押し付けないように”と念を押されたが、もちろんそんなつもりはない。
一から俺の事を知ってもらってもう一度最初から始める覚悟はできていた。
ちょうど類がフランス出張で俺が先にデートできる事もラッキーだと思えた。
なんといっても牧野の性格はよく知っているから、焦りは禁物なことも…



―Side 類―

司の嫁から連絡が来た。
フランスに渡航するために空港にいた時だった。
牧野がデートに応じてくれるのは嬉しかったが、忌々しいこの出張の所為であきらに後れを取るような気がして気に入らなかった。
司の嫁が注意事項をくどくどと述べるのを“わかりきったこと”と聞き流し、「それ、あきらに念を押しておいてよね」と告げて通話を切った。
今はやるべきことをまずしないと…あきらに負けるわけにはいかない…
足場は固いに超したことはないからね…



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天国の記憶21


「あんたの事好きみたい…俺と付き合ってくれない?」

衆人環視の前で平然と告げる類を信じられないものを見るように見ていたつくしだったが、言葉の意味が理解できるとボンッと音がしたのではないかと思うほどの勢いで頬が染まる。

「おーっ、類にしちゃ超ド直球だな」
ニヤニヤとからかうような総二郎には一瞥もくれない。

「ちょっと待て。類抜け駆けするなよ」
「なんで抜け駆け?俺は自分の気持ちを素直に言っただけだよ」

つくし以外の3人は興味津々といった風情だ。
類と向き合っていたあきらがつくしに向き直ると、

「牧野さん、俺と付き合ってください、結婚を前提に。俺は真剣です」

「えっ、えっ…そ、そんな突然に…」

「あきら、牧野さんが困ってるじゃない。最初から結婚を前提になんて重すぎるだろ?」

二人の間に割りいるように一歩前に進み出た類がそう言ってにっこりとつくしに笑いかける。天使の笑顔とも思えるその姿は、どこかで見たことがあるように思えてなぜかホッとするつくしだった。

「俺だってあきらに負けないぐらい真剣だけど、堅苦しく考えないで俺の事を知ってほしいんだけど…だめかな…?」

小首を傾げてどことなく寂しげに微笑まれると、とても断ることなどできないような気になってしまい、つい答えてしまっていた。

「あっ、あの…お友達として…でもいいですか?」
「うん。それでいいよ。もっと俺のこと知ってほしいから」

面白そうに見ていた総二郎がここで口を挟んできた。

「類が一歩リードか? つくしちゃん、あきらにもチャンスをやってよ。最初は友達からでいいからさ。なんなら俺も仲間に入れてもらおうかな?」
「総二郎…余計なことを言うね…」
「まあまあ、フェアプレーで行こうぜ。お互い禍根を残さないためにもよ」

「いいんじゃない? つくし、高校生にでも戻った気分で清く明るい交際から始めたら?」
「…高校生って…」
「清く明るい…?」
つくしと男性陣では引っかかるところが微妙に違っている。

「がっつくのは禁止ね。同意なく襲ったりしたら滋ちゃんが容赦しないわよ」
今度ばかりはつくしもその意味を理解し瞬時に顔が染まる。

「つくしが良ければ、それはそれでいいからさ」
「し、滋さん…」

「よしっ、そうと決まればまず、慣れる意味で俺とデートしようぜ。つくしちゃん」
「なんでニッシーなの? 類君とあきら君だけでいいじゃない」
「滋の言うとおりだ。総二郎は関係ないだろう?」
「…まさか…総二郎も牧野さん狙い…?」

「馬鹿言え。優紀も一緒だよ」
「優紀…?だれ?それ」
「類、おまえなぁ…近々婚約する俺の相手だよ…」

「えーっ? ニッシーやっと決まったの?」
「正式発表はもう少し先だけどな。親父もおふくろも気に入っちまって、おふくろの実家に養子縁組させて西門に入れるって意気込んでんだぜ。優紀とならつくしちゃんも気が合うんじゃないかと思ってさ」
「優紀が来るならあたしも一緒にする! ねっ、つくし、いいでしょ?!」

「ふぅん…そういうことならまあ大目に見るよ…」
「類…おまえ、何気に失礼な奴だな…」
「まあ…滋も一緒なら牧野も気が楽だろうからいいんじゃねぇか?」
「司、おまえまで言うか? いったい俺をなんだと思ってんだ」

当のつくしをうっちゃって盛り上がる周囲に苦笑するが、それが嫌ではなくなんだか楽しく思えるつくしだった。


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花より男子《日本版:類つく、韓国版:ジフとジャンディ》や韓国ドラマの二次小説を書いています💕

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